アイスクリーム
家に帰ってきてから、ふたりで風呂に入った。
千陽がのぼせかけて、急いで上がってからリビングでくつろぐ。
体調はだいぶ良くなったのか、顔色も良くなっていた。

「千陽、そろそろ寝るか」

「ん」

起き上がった千陽は、フラフラと足取りがおぼつかない。
すぐにそばにより、引き寄せればそのまま力が抜ける。
千陽を抱き上げて、寝室へ連れていった。

「お前大丈夫か」

「ねむいぃ…」

ベッドに横たえてから、千陽の髪を梳き隣に寝た。
抱きしめて胸を叩いてやれば、すぐに寝付く。
あどけない寝顔に、キスをした。

「千陽」

なかなか目を覚まさない千陽の頬を撫でた。
うんと寝返りを打って、背中を向ける。
そんな千陽を抱き寄せ、つむじに口付けた。
このまま寝かせてやるか、と千陽から離れる。

「持ち帰ってきた仕事でもするか」

小さくそう呟きながら、キッチンへミネラルウォーターを取りに向かった。
寝室に戻ると千陽は小さく丸まって眠っている。
ミネラルウォーターと一緒に持ってきたパソコン。
ベッドに乗り、ベッドヘッドに背中を預けながら開いた。
あまり音を立てないように、仕事を始める。
規則的なリズムが聞こえてきて、平和だな、なんて思った。

「ん…」

時折漏れる吐息。
背中を撫でてやれば、すぐにまた規則正しいリズムを刻む。
千陽の汗ばんだ髪を撫でた。
柔らかな髪を撫でて梳く。
エアコンを調節してから、丸くなった身体にタオルケットをかけた。
テレビをつけて音量を下げる。
千陽はまだ起きない。
時刻を確認すればもう13時を過ぎていた。
仕事はもうやることもなくなり、パソコンは片付ける。
そろそろ起こして食事をさせないといけない。

「千陽、そろそろ起きろ」

耳元で囁けば、ピクリと身体が揺れた。
頬を軽く叩いてやると、長い睫毛が震えて綺麗な灰色の瞳が見える。
こちらに視線を向けた千陽は、眠たそうに欠伸をした。

「よく寝てたな」

身体をゆっくり起こした千陽は、またこてんと横になる。
こら、と、起こしてやれば、肩に寄りかかってきた。
千陽を膝に乗せる。
ぎゅっとしがみついてきた千陽の頬を撫でた。

「頭痛とかは大丈夫か」

「ん…。センセーの香り、ふわふわしてて、気持ちいの、眠くなる」

「そうか」

今日はこのまま千陽を抱きしめて、甘やかして終わりそうだ。
ポンポンと何度も背中を撫でていると、千陽がまた寝息を立てそうになる。
仕方ないな、と抱き上げて、リビングへ行く。
冷蔵庫の中から、アイスを取り出した。

「千陽、アイスなら食べれそうか」

「ん…」

ソファーに下ろしてから、千陽にバニラアイスを渡す。
もたもたと、ゆっくり封を切って食べ始めた。
同じようにアイスを食べながら千陽の様子を眺めている。
ようやく意識がしっかりしてきたのか目がしっかりと開く。

「ヒートの前って、みんなこーなるのかな」

それでもまだ蕩けたような表情をしていた。
千陽の髪を撫でて、微笑んだ。
軽く唇を重ねれば、バニラの味がする。
とろんと嬉しそうな顔をした。

「ん、…アイス、溶けちゃ、う」

「そうだな」

「なんか、ドキドキして、き、た…、ヒートかな」

「そうかもな、お前からいい香りがする」

千陽の首筋に鼻を寄せる。
バニラの香りが濃くなった。
抗えない香りに千陽の手からカップアイスを奪う。
テーブルに置いてから、ソファーに押し倒した。

「千陽…」

「ん、ん…駿さ…」

カーペットにふたりで降りた。
柔らかな毛足の上に千陽を押し倒す。
幼い顔立ちが淫らにとろけた。
千陽の柔らかい頬を撫でる。
耳を指先でくすぐり、額に口付けた。

「千陽、首輪…、外すぞ」

柔らかな耳朶をはみ、舌を這わす。
グリーンアッシュの髪をかきあげ、千陽の首輪を甘噛みをした。
甘い喘ぎ声が上がり、千陽がなんども頷く。
身体を起こし、灰色の瞳を見つめた。

「…千陽」

「…ん」

小さな返事に、千陽の首輪を外した。
首輪を外せば、他のほんのりと焼けた肌と違って、真っ白な肌が晒される。
そこに唇をはわせば、千陽の腰が揺れた。

「あっ、ひ…ッ」

千陽の淫らな声に身体を熱が覆う。
ブカブカの俺のTシャツを脱がし、下着だけの姿にした。
千陽の身体が震え始める。

「っ、しゅ、んさ…ッ」

千陽、千陽。
なんども名前を呼びながら、千陽の肌に触れて行く。
しっとりと汗をかいた肌に手のひらが吸い付くようだ。
ぴんっと健気に震えるように勃ち上がった乳首を口に含む。
キュッと柔らかな太ももで腰を挟まれた。
なめて、甘噛みして、喰む。行動するたびに震える千陽の身体が、愛おしくてたまらない。

「はっ…っ、あっ、あっ…んぅう、ちくび、やだぁッ…」

「嫌じゃないだろ…、こんなに震えて、下着もぐちゃぐちゃだ」

「ん…、ん、や、」

千陽の胸から離れて白く日焼けしていない腹へ口付けた。
へそを舌でくすぐり、下腹部を甘噛みする。
千陽がびくりと身体を震わせるのと同時に、下着のシミが広がった。
甘いバニラの香りが強くなり、下着を脱がす。

「…ッあ」

下着に濡れた糸がひく。
じっとりと湿ったそこに目が奪われた。
Ω特有の小さなそれもドロドロと濡れている。
これから思う存分に身体をつなげるため、愛液をこぼしている蜜壺に指を触れさせる。
クプっと音を立てて、白く泡立った液がこぼれ落ちた。

「千陽、気持ちがいいか」

「…ッ、ん、」

吸い付いてくるそこに指を差し込む。
濡れた音と千陽の喘ぎ声が耳にこだました。
甘い香りに誘われて舌を這わし、ぐちょぐちょに濡れたそこをかき回す。
震える太ももに顔を挟まれた。

「も、い、よ、いい、せんせ、きて、中さみしい…ッ」

短く呼吸を荒げながら、千陽が普段より高い声で求めてくる。
足を広げた千陽が手を伸ばしてきた。
片手をつなぎ、指を絡める。
それから、ドロドロに溶けたそこに、熱く膨れ上がったものを触れ合わさせた。

「千陽…」

キスをして、千陽の中に入り込む。
茹だるように熱いそこに、息を漏らした。

「は…ァッ」

声にならない嬌声を上げた千陽を抱きしめる。
何度か中をかき混ぜるように腰を押し付けて、千陽の声に熱い息を交わす。
ゆっくりと身体の向きを変え、白くしなやかな背中に噛み付いた。

「しゅ、んさ…ッ、あっ、あっ、ァンッ、ひ、」

強く腰を打ち付けて、背中に覆いかぶさった。
千陽の髪をかき混ぜ、つむじにキスをする。
真っ赤になった耳を甘噛みし、舌を這わした。

「好きだ…、千陽、愛してる」

なんども千陽の耳に囁きながら、もっと深いところを目指す。
千陽の腰が震えて、深く、奥へ入り込んだ。
子宮の入り口に押しあたり、グリッとそこをえぐる。

「アァッ、だめぇッ、そこ、気持ちくて、だめ、だめ、せんせッ」

子宮を押し上げていると、膨らみ上がった熱の根元がαとしての傲慢な性を主張し始めた。
膨らんでいくそこに千陽の身体がビクビクと跳ね上がる。
背中を反らして、ぎゅっとカーペットを掴む小さな手に手のひらを重ね、指を絡ませた。

「千陽」

小さく名前を呼べば、千陽が腰だけ高く上げ、うなじを晒した。

「しゅん、さ、…だいすき、すき、かんで、せんせぇッ」

泣きながら求める千陽にヒートの時に伸びる牙が疼いた。
千陽の肩に口付け、噛みたい欲求に任せて、肩口に噛み付く。
それから、首輪の白い跡に深く牙を突き立てた。

「〜〜〜ッッ」

千陽の身体が大きく震え上がって、きつく締め付けられる。
どくんと心臓が震え、欲望を吐き出し始める。
チカチカと視界が点滅する中、千陽が嬌声をあげるのを聞いた。
prev | next

back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -