あわ
深夜に服を脱がされて、恥じらう暇もなく湯船に入れられた。
大きな、まるで温泉みたいな風呂に真昼は驚く。
服を着たままの深夜を見つめて首をかしげた。
風呂はとても深く、真昼が足をついて肩までつかるくらいの高さまでお湯がある。
「体を撫でなさい」
その言葉の通り、体を撫でる。
体が少しピリピリして目をぱちぱちとさせた。
「真昼?」
「いえ、…少しお湯が…」
「痛むか?」
「だいじょうぶです…」
「その湯につかりながら、体を撫でれば清められる」
こくりと頷いて、深夜に言われたまま体を撫でた。
体が綺麗になるのがわかる。
言うとおりにしていると、深夜が立ち上がった。
「私も湯につかろう」
そう言って脱衣所に向かう。
すぐに戻ってきた深夜は静かに湯に入って真昼の頭を撫でた。
手を引かれて、腰をかけられる位置に移る。
腰を下ろすとちょうどいいくらいで、深夜も同じように腰をおろして真昼の黒髪を大きな手のひらで掬った水でぬらした。
「頭を洗おう」
いつの間にか泡だてられた髪に真昼は目を瞑る。
心地よい指先にうとうととしながら深夜に問いかけた。
「卵はどれくらいで孵るのですか?」
「早くて3日。遅くて5日と言ったところだ」
「3から5日…」
「ああ。真昼、一生懸命温めてあげなさい」
「はい。日夜に早く会いたいです」
嬉しそうに微笑んだ真昼に深夜も同じように笑った。
それから真昼の髪を流し、口付ける。
優しい口付けに瞼が降りて深夜に寄りかかった。
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