永遠を誓う口付け
真昼がゆっくりと腰をあげ、出窓へ細い腕をついた。
優しい風が頬を撫でる。
膨らんだ腹部を撫でて、優しく微笑んだ。
「体温が高くなるのは、子が生まれる日が近いからだ。…もうじき乳房も膨らむ」
「…へ?」
「だから、ここが膨らむと…」
「ひあっ」
立ちあがった深夜が後ろから真昼の胸に触れる。
柔らかな感触がてのひらに伝わり深夜が軽く笑った。
「子に栄養を与えるために、必要な変化だ」
かあ、と頬を染めた真昼に笑い、深夜は真昼の胸に触れていたてのひらを下ろした。
真昼の小さなてのひらの上に大きなてのひらを被せて握る。
ほっと息をついた真昼の髪に口付けて、抱きしめた。
「…日夜に早く会いたいです」
後ろに立っている深夜にすり寄る。
ばば様に告げられた出産予定日は後少し。
真昼の体に宿った命はすくすくと成長している。
体が重くなったような気がして、真昼は深夜に体を預けた。
「体を冷やすと悪い。ベッドに」
深夜に抱えあげられてベッドに戻る。
白い肌触りのよい布に包まれて真昼は微笑んだ。
「深夜さん、」
そっと名前を呼ぶ。
愛おしい響きが唇を割って漏れて、真昼は息を零した。
「真昼、とても愛おしいよ。お前が私のすべてだ」
深夜とともにベッドに横になる。
ぬくもりが伝わってきて、涙がこぼれた。
「後少しの間、ふたりだけの時間過ごそう」
「はい…」
深夜の唇が触れて、真昼は甘えるように唇を摺り寄せた。
永久に end
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