こどものような
たくさんの光で明るい室内で、真昼は体をばば様に見せていた。
隣に座る深夜は少し不機嫌そうにその様子を見ている。
ようやくふくらみ始めた真昼の腹部をばば様は観察した。
観察が終わったのか一息ついたばば様をみて、すぐに深夜は真昼を毛布で包んだ。
「…王、大人げないですよ」
「大人げなくて構わぬ。真昼の肌が私以外の者にさらされるのが気に食わん」
「…はいはい。で、ばば様、いかがですか?」
フミネは呆れながら、ばば様の方へ視線を移した。
ばば様はクスクスと笑い、真昼も同じように小さく笑う。
深夜の少し拗ねたような表情は、普段は見れないものだ。
「以前のお子を見た時は成長は早いが、未発達で、何か急いている様子だったのお…、だが、この子はゆっくり愛情を受け命を育んでいる。安心してくだされ」
「良かった。真昼様、安心してくださいね」
安心した様子のフミネに、真昼は頷く。
深夜の腕が腰に周り、抱き寄せられた。
「神子様、伴侶が男の性だった場合、一時的に子を体に宿すのじゃよ」
「一時的…ですか?」
「ええ、男性には子を長く宿している場所がないので、一時的にです」
深夜の大きな手に自分の手を重ねながら、ばば様の話を聞く。
嬉しそうに話す医者は、話を続けた。
「通常よりも短い期間で生まれるのじゃ。神子様の世界ではどのように生まれたのかはわからないが…、半年よりも短い期間で生まれるのお」
「半年よりも…」
「ええ、子は、卵の形で生まれる。そこからまた時間をかけてから、子はこの世に生まれるのじゃよ」
「卵…」
真昼が覚えこむように反芻するのを聞きながら、深夜は真昼の膨らんだ腹部を撫でる。
卵の中にいるのはわかるが、何かを訴えるように動いている気がした。
「ばばは何人も魔王の誕生を見て来たからのお、安心してくだされ」
ばば様の言葉に頷いて、真昼は深夜を見上げた。
笑みを浮かべると、深夜も同じように微笑んでくれる。
そんな甘い雰囲気を出し始めたふたりに、フミネが咳払いをした。
「…、この様子だと、あと少しで生まれるのお。約、40日くらいか。…卵は大きめなもので、大人の拳一本分くらいの大きさじゃ。痛みを伴う」
「が、がんばります…!」
「私が傍にいる。手を握ろう」
「王にも手伝ってもらうことがあるからの、当然じゃ」
ばば様が笑いながら、そう告げるのを聞いて、真昼も小さく笑った。
男の温かい体温が体を包み込んでいて、すごく安心できる。
ばば様の言葉に返事をする男の低い声を聞きながら、真昼は小さく欠伸を漏らした。
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