もう一度、ここに
「真昼…」

シンヤの大きな手のひらが、頬に触れた。
優しい手は、ゆっくりと真昼の体を撫でる。
急に体が震えはじめて、きゅっと目を瞑った。


「…まだ、怖いか…?」

「怖くは、ないです…、でも、震えて…」

「ああ、そのようだな…。目を開いて、私を見なさい」

きゅっと閉じた目を開いていく。
目を開けば、白い部屋。
優しく微笑んだシンヤが目の前にいる。


「あ…」

体から力が抜けて、震えが徐々におさまっていった。
シンヤの手は、真昼の首筋を撫でるように下がっていく。
服の上から、心臓の位置に手を置かれて、真昼は息をつめた。


「早い、な」

髪を優しく梳かれて、耳裏をくすぐられる。
額に口づけられて、そのまま口付けた。
優しい唇は、真昼を安心させるように、甘い。
体がゆっくりと熱くなってきて、真昼はシンヤの首に腕をまわした。
真昼の背中に手を回し、抱きしめる。
そのままシンヤはベッドに背中を預け、真昼はシンヤを見降ろした。


「…シンヤさ、ん、」

シンヤをまたぐようになった真昼は、シンヤに体を預けた。
それから、小さな手がシンヤの服を乱していく。
大きな手のひらは、真昼の白く細い脚を撫でた。
内側には黒薔薇が広がっている。
白い脚は、撫でられると、きゅっとシンヤの腰を締めた。
ゆっくりと手を這わして行く。
真昼の息が熱くなっていき、シンヤは真昼の手を握った。


「真昼、」

シンヤは急に体を起こした。
それから真昼をベッドに押し倒す。
ふかふかの白いベッドの上に倒れて、真昼は息を飲んだ。


「あ…ぁっ」

口付けが激しくなって、真昼の体を大きな手が優しく撫でていく。
徐々に体が熱くなって、真昼はシンヤに強請った。


「…もう一度、ここに…っ」

きゅっと握られた手に力を込めて、片手を自分の腹部に置いた。
その手の上に大きな手が重ねられて、真昼はこくりと頷いた。
シンヤの頬に、黒薔薇が浮かび上がる。
そっとその黒薔薇に口付けた。
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