初めまして
学校を終えてから迎えに来てもらい、壱琉の部屋に来た。
ソファーに座って壱琉が夕飯を作っていると間に宿題を終わらせようと教科書とにらめっこする。
キッチンから包丁の音が聞こえてきて、思わず頬が緩んでしまった。
そのことにハッとしてすぐにキュッと引き締める。


「むくー、麻婆豆腐中辛と辛口どっちがいい?」

「中辛」

「了解。宿題終わりそうか?」

「うん、もうちょっと」

「頑張れよ」

壱琉の言葉に頷いてから、むくはまたノートに答えを書き込んでいく。
最後のひとつを書き込んで、カーペットの上に横たわった。


「終わったのか?」

「うん。後で見ておいてね」

「ああ、ちょうど夕飯できた。おいで」

「ん」

壱琉の手招きにすぐに答えて、ダイニングテーブルに向かう。
テーブルにのせられた夕飯にむくは微笑んだ。
ありがとうと言うと壱琉も微笑んでくれた。

「壱琉の作るごはん好き」

「それは良かった。どうぞ」

「いただきます」

一緒にいただきますをして、夕飯を食べる。
中辛の麻婆豆腐を口に含むと、むくの好きな辛さが広がった。
おいしいともぐもぐ口を動かせば、壱琉が嬉しそうに笑う。
その顔にむくも思わず笑った。


「いち、嬉しそう」

「嬉しいよ。お前と夕飯食べれるのも、こうして一緒にいれるのも」

「う…うん」

「むくは?」

「…うん」

小さい声で頷いてから、壱琉を見れば優しく笑っていた。


夕飯を食べ終えてから、ふたりで片付けをした。
それから、リビングのソファーで並んで座りテレビを眺める。
壱琉の大きな手に触れるとすぐに手を繋いでくれた。
顔を見合わせと笑っていると、チャイムが鳴った。
prev | next

back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -