修学旅行前
「もしもし…、わ、よし君おはよ」

『ごめん、おはよう。俺、今日明日休むから、ノートを頼みたいんだけど』

「んんー? 杏先輩についていくの?」

電話の音で目を覚まし、半分眠ったまま話を聞く。
電話先の好野も眠たいのか途中あくびをした。
眠っていたむくがごろんと寝返りを打つ。
まだ起きる時間じゃない。
そう思いよろよろと立ち上がってリビングへ向かっていった。


『そうそう。一度見てみたいって思ってたから』

「いいね。お土産待ってます」

『りょーかい。…起こしてごめんな』

「ううん、平気」

『じゃあ、よろしくな』

好野が電話を切るのを聞きながら、汰絽はソファーに横になった。
そのまままたウトウトし始めてしまう。
朝の寒さに震えつつも、昨晩時間で起動するようにセットしておいてよかったと眠りにつきながら考えた。



「たぁちゃんねんねしてる!」

「珍しいな、汰絽が寝坊助なのは」

「ねぼすけー」

「朝ごはん作るか。むく手伝う?」

「おてつだい!」

起きてきた風太とむくはソファーで眠る汰絽の顔を覗きこみ、ふたりは笑いあった。
汰絽の眠った顔はどこか幸せそうにふわふわしている。
むくはおはよーと笑いながら汰絽の頬に鼻先にキスしてから、風太のスウェットを握った。
簡単に済ませようと思い、冷蔵庫の中を覗く。
昨日の残りのサラダに豆腐を切って足して、それからウインナーと目玉焼きを焼いた。
むくは豆腐サラダにわかめを乗せて、それから風太から箸を受け取り、テーブルに運ぶ。


「ん…、わっ、朝! えっ」

「おはよー!!」

「おはよ、たろー。朝だぞ」

「寝ちゃってました…。ごめんなさい」

「気にすんな。飯作ったからおいで」

風太とむくに手招きされて、ダイニングへ行く。
テーブルには風太とむくの作った料理が並べられていた。
ありがとうございます、と微笑んでから、汰絽はみんなといただきますの挨拶をいて朝ごはんを食べ始める。
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