好きなら好きって言えばいいのに
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俺の友人である佐久間は、みょうじに惚れている。

それはもう殆ど周囲は知っている事実だ。

俺はというと一番にその事実を知ったであろう人物だ。

何故なら佐久間がみょうじを気にした時からアイツに相談を受けていたからだ。

今現在も佐久間に頼まれて、みょうじに好きな人がいるかどうかを聞きに行く真っ最中だ。


「みょうじ」

『あ、鬼道くん。何か用?』

「その、とある人物から相談を受けてな。…お前に好きな人はいるか?」

『んー』


暫し彼女は思考して、急にひらめいた様に顔を上げ、笑顔を見せた。

意外だな、好きな人がいたのか。


『その相談相手って、佐久間くんでしょ?』

「いや、違うな」


佐久間のために平然と否定したが、何故みょうじは分かったんだ。


『…じゃあ、その人に伝えておいてよ。好きなら好きって言えばいいのに。ってさ』

「分かった。伝えておこう」


そう言って俺はその場を立ち去ったが、みょうじの目は確信のそれだった。

良かったな佐久間、みょうじは十中八九お前の気持ちを分かっていて、お前に告白されるのを待っているぞ。


「というわけだ。早く行って付き合ってこい」


休み時間は後5分で終わるが、隣のクラスから「好きだみょうじ、付き合ってくれ」と聞こえてきたんだから問題ないだろう。

末永くお幸せにな、佐久間。


2011 10/27 やく


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