キスなんて、奪うもんだと思ってた
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『吹雪くんって、遊んでそう』


突然、クラスメイトにそんなことを言われた。

彼女の名前はなまえちゃん。

ムードメーカーという程ではないが、明るい性格で友達もそこそこいる子だ。


『女の子はべらして、ホストみたいだよね』

「そうかな?」

『うん。何かヒモっぽい』


ランクダウンした。

ホストからヒモまでになるとは思わなかった。

いや、女性に衣食住を提供してもらってるという点では同じなんだけど。


『吹雪くん自身、女の子に優しいでしょ。だからそう見えるんだと思うけど』


彼女なりのフォローなんだろう。

でも、遊んでるのは一応事実だ。

でも、告白されて断ったら遊びでも良いからと言われての仕方なくの遊びだ。

僕が遊びたいから遊んでるわけじゃない。


『ねぇ、吹雪くん』

「何?」


名前を呼ばれ、そのすぐ後にリップ音。

それをすることはあっても、されることはないと思っていた。

事実、そうだったから。

キスなんて、奪うものだと思ってたんだ。


『吹雪くんの唇頂きー!じゃあ、また明日ね!』

「あ、う、うん!」


心臓が鼓動を速め、聞こえそうなくらい大きな音になってる。

…明日、絶対に仕返しするから覚悟しておいてよね、なまえちゃん。


2011 10/25 やく


確かに恋だった様よりお借りしました。


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