意味もなく、美しかった遅刻しそうになってバス停まで走っていると、人にぶつかったんだ。
「アホだな」
う、うるさいなぁ!
ちゃんと聞いててよ佐久間!
…で、遅刻しそうな少女が走ってるんだからちゃんと避けてよね!
低血圧で本当に急いでいた私は、心の中で理不尽なことを言っていたの。
その時は冷静のれの字もなかったから、しょうがないんだけど。
「しょうがなくない」
佐久間だって理不尽なこと言うくせに!
でね、その人に何か言ってやろうと倒れた体を起こして顔を上げたらね、凄い美人さんだったんだ!
綺麗な長い金髪でね、顔もすっごく美人さんなの!
それでね、私見惚れちゃっててぼーっとしてたわけ。
「馬鹿じゃないのか?」
ここからが良いところなんだから黙ってて!
でね、その美人さんが私に手を差し伸べてくれたの!
「大丈夫かい?」って。
浮世離れした感じの人だったけど、美人さんだったな…。
「で、その話をする意味は?」
え、意味なんてないよ。
意味もなく、美しかったってことを言いたかっただけだから!
2011 10/25 やく
確かに恋だった様よりお借りしました。
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