My cute darling
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それに気付いたのは、付き合ってから数ヶ月後のことだった。


『源田君ってさぁ…』

「俺が?」

『感情に合わせて髪が動くんだね』

「は?」


首を傾げてきょとんとこちらを見つめる源田君。

うん、可愛い。


『そうだな、例えば…源田君嫌い』

「!?」


あ、髪がへにゃりと下がった。

彼の顔も酷く傷ついたような顔をしている。

やっぱり可愛い。


『嘘だよ。好き』

「お、俺もだ!」


今度は髪が上がった。

心なしか上下にふわふわと揺れている気がする。

しかもヘタレな性格ゆえか、顔を真っ赤にして言っている。

本当に可愛い。


『本当に可愛いなぁ、源田君』

「い、いや。俺より、なまえの方が可愛い!」

『嬉しいな。大好きだよ、源田君』


ぎゅうっと抱きつけば、暖かい体温が伝わってきた。

それだけでも愛しさが伝わるというのに、彼がおずおずと私の背に手を回すんだから可愛いものである。

頬に彼の柔らかい髪が当たって、ちょっとくすぐったい。

目の前には真っ赤な耳があって、もしやと思って源田君の顔を覗けばやっぱり真っ赤で、でも安らかそうな顔。


『あぁもう、本当に可愛いんだから!』


私はもう一度、彼に抱きついた。

そのあたふたする姿もやっぱり可愛いよ、My cute darling。


2011 10/19 やく


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