過去拍手@


これの後日談 。基本会話文。


例の合コンから数日後。食堂でうどんをずるずる啜っていると、突然背後から誰かに抱きしめられた。

「やっと見つけた、」
「え、ちょ、なに!?」

驚いて振り向けばそこにいたのは樫井で、一気に身体がザッと冷たくなる。やばい。きっと騙したことがバレたんだ。そうじゃなきゃ見つかるはずがない。
1人で内心焦っているとさらにぎゅっと強い力で抱きしめられ、首筋に樫井の吐息が当たる。ぞわぞわして身をよじらせても、力が緩まる様子はない。

「あ、の…樫井…だよな?」
「はあ……見つかってよかった…俺の愛しい人……」
「は、はあ!?」

今こいつ、愛しい人って言ったか。まて、何だそれは。こいつは頭がおかしくなったのか?周りの人も樫井の発言にざわざわとしている。

「な、なに言ってんだよおい。冗談よせって」
「冗談なんかじゃないよ!言ったじゃないか一目惚れしたって!!」
「いや、知らねえよそんなの。人違いじゃねえの?」
「好きな子のこと間違えるわけがないだろ。ね、羽柴薫ちゃん…いや、くんの方が正しいのかな」
「!」
「名前からして女の子だと思ってたけど、男の子だったんだね。見つけるまでに時間かかっちゃったけど、ちゃんと見つけたよ」
「…だからどうしろっていうんだ。騙すような真似して悪かったとは思ってるけど」
「え?見つけられたら、付き合うかどうか前向きに考えるって言ってくれたじゃないか。やっぱりどうしても君のこと忘れられなくて…」
「いや、いくら一目惚れしたって言ってもお前が惚れたのは女の格好した俺だろうが!目を覚ませ樫井!!俺は男だ!!」
「恋愛に性別なんて些細なものだよ!!どんな見た目だろうと俺は君が好きなんだ!!付き合ってほしい!!!」

堂々とした発言に怯む。ふと合わせた目は思った以上にギラギラしていた。こいつ、本気かよ。
ゾワリ、と何かが自分の身体を走る。

「〜〜っ!じょ、冗談も大概にしろ!!」

バッと立ち上がって樫井の腕から逃れ、急いでその場から逃げ出した。後ろから、絶対諦めないから、と叫ぶ声が聞こえる。
顔が熱いなんて、絶対に気のせいだ。



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