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息苦しさと、温もりに挟まれながら私は今日と言う朝を迎えた。 何故か目の前には整った顔に薄い唇、その(私から見て)左下にはホクロ…それ以外は銀の世界に包まれていた。ていうか苦しいのは何でだ。よくみると、腕枕されていた。マジでかなにこれ。しかも腰にも腕が回されている。ガッチリだよこれガッチリ。固定されてて上半身が動かせない。 「って…!」 どうして何でWHYなぜなにゆえ雅治がここにいる?!しかも私のベッドで?一緒に?さらに抱きしめられながら?!あわあわあわあわ一体昨日何があったっけ…。いやいや何も無かったよ。私はお風呂に入った後一人で布団に入ったんだよ。お隣に住んでる雅治くんは居なかったんだよ。いつ侵入してきやがったこいつは。仮にも乙女の領域なんですけど!仮にも年頃なんですけど! 「んー…」 もぞもぞと奴が動く。おい、ちょろ毛が首に当たってくすぐったいんですけどぉぉお!あ、腰に回された手まで動きやがった!更に密着。あ、ちょっとこの体制キュンときた…じゃなくって! 「………!」 え、え、え、どうすんのこれ、何これどうなってんの?なんでコイツ人の布団で寝てるの?モゾリ、奴の顔が首筋に預けられる。ヒィィィィィ…! 「って、起きてんじゃねぇええかァァァァ!!」 「ぅぐがっ!」 どげし、という効果音がしっくりくるような蹴りをお見舞いしてやった。背中から落ちていくのをしてやったりと内心笑ってやりながら眺める。背中が痛そうだ。 「あんった、何で人の布団にもぐりこんでんの!」 「何でと言われても…起こしに来たらお前さん寝ちょるし。気持ちよさそうに寝てるからこっちまで眠くなってきたんじゃ」 「自信に満ちた顔で言うな!」 「つうか俺学校行く気失せたんじゃけど。」 「つうか完璧遅刻じゃん。起こせよテメー」 「気持ちよく寝てたんじゃから仕方なかー。」 「あれ、そういえば朝練は?」 「今日は休みじゃ。」 「……つうかさ、」 「なんじゃ」 「出てってくんないかな」 「なんで」 「私着替えたいんだよね。遅刻なんだよね。」 「もううええ。行く気失せた。一緒にサボろー」 「はあ?!雅治行かなくても私は行くの!出てってー!」 いつまでも座ってる雅治の襟首を引っ張ってドアの方まで引き摺る…お、重い…! 「雅治ちょっと痩せた方がいいんじゃない…!」 「えー、俺ブンちゃんより痩せとるー」 「へ、わっ」 私の動きが止まったのを見計らって、襟首を掴んでいた私の手を掴んで引っ張られる。 えええええ手痛いんですけどー!?ぽすんという効果音よりも強めな音で雅治の膝に割って入る体制になる。 「2人してサボるナリ」 「いや学校行くって!」 いい加減にしてと叫ぼうかと思った矢先額に暖かいものが… 「ぎゃ、あああああああ…!」 「もっと色気のある反応できんの」 キスした!キスしたって今!おでこにだけど…!感触が…生々しく鮮明に残ってる…。 「できるかぁあああああ!!」 声の限りに (さーて、2人で何をしようか?) _______ 梢ちゃんへ7万打企画/酸性キャンディー |