てにす | ナノ
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「六道君は人間は嫌いと言うけれど、本当は嫌いじゃないよね」
「嫌いでは無いですね…虫酸が走ります」

独特のクフフと言う笑い声を上げた後、妖しい笑みを浮かべた

「でも六道くんも人間だよ」

「普通の人間では無いですよ」

「それでも、人間だよ。」

「それが何か?」

「だったら、嫌いなんて違うよね。だって六道君は私が好きでしょう?」


私、人間じゃないと愛せないのと続ければ、楽しそうに彼が笑う。そして「そうですね」って人間みたいに目を細めて愛おしそうに私を瞳に映すのです。それはそれは人間らしくて、やっぱり六道君は人間だよって私も笑うの。

「本当に、人間とは面白い生き物だ」


中身のない言葉を紡ぎながら私を抱きしめる彼はきっと…




宇宙人気取りなのでしょう。
(違います。)(あれ、違うの)(僕は人間です)(…認めるんだ)(貴女が人間なら僕も人間でいいって意味ですよ)