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「#幼馴染」のBL小説を読む
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期末テストも終わり、上位70位までの順位が廊下に貼り出された。70位といわずに100位まで出してくれればいいのに。そうしたら30人くらい報われるのに…ちょっと言い方が大げさだな。まあ100位だろうと、私に関係ないことには変わりない。
360人中158位な私には関係はないのだが、藤城君が上位に入っているという情報をゲッチュしたので人だかりが出来ている廊下の箇所に私も入って貼りだされているポスターから藤城君の名前を探した。
藤城、藤城っと…下から数えていくが中々お目当ての名前が見つからない。下から数えるより上から数えた方が早いかな? 上から数えてみるとすぐに見つかった。え、19位?

360人中19位?


「藤城君ってそんなに頭よかったんだ…」

寝てばっかなのにな。一体いつ勉強してるんだろうか。本人は睡眠学習だなんて言っていたけど、ようか才能なのかもしれない。
ここまできたついでに王子の名前も探してみる。情報では万年主席キープだそうなので見つけることはそう難しくなかった。1位の隣に桐重の文字。あ、王子だ。

「桐重って苗字だったのね」

てっきり名前だと思ってたよ。そういや私王子のフルネーム知らないや。いい機会なので名前でも覚えていくかと桐重の先に書かれている2文字を見つめる。
さく、朔…りょう? はじよし、さくよし、朔に良って何て読むの、当て字?

「桐重…なんだ?」
「サクラ」
「えっ? あ、王子」
「こんにちは。菊崎さん」

あたりから黄色い声があがる。女子たちうるさい。睨むように女子の塊に目をやれば、逆にこちらが睨まれた。集団とは卑怯な。

「ああ、今王子モードなの」
「ひどいなあ、俺いつもこんな感じだよ」

うそつき、2重人格め、心の中で悪態を吐きながら王子を見る。背筋が伸びているし笑顔がうさんくさい。王子も頑張ってるんだなあ。

「…………」
「菊崎さんってそんなイメージなかったけど順位とか気にするタイプなんだ?」

私が上位に入っていると勘違いした王子は私の名前を上から探していく。仮にもし私の名前が50位以内に入っていたとしても下から数えた方が早いような気がする。

「私じゃないよ」
「えっ」
「藤城君が入ってるって噂があったから気になって来てみた」
「ああ、蓮って全然勉強してない感じなのに頭いいんだよね」
「王子も頭いいんだね」
「そんなんじゃないよ、生徒会長としての義務だと思ってるだけさ…上位キープがね」

そう言って笑う王子に今度は声に出して「うそつき」と言ってやった。本当は、自分より下の奴らを見下してやるための上位キープなんでしょ、と小声でいやみを言ってみる。彼はただ笑っただけだった。案外図星なのかもしれない。

「サクラって読むの?」
「そ、女の子みたいな名前でしょ?」
「男子でさくらって読む人初めて見た」
「あーんま、気に入ってないんだよねぇ」
「朔良、いいと思うけど。逆にかっこいいよ」

一瞬きょとんとした顔をした王子は、ふっと笑ってからありがとうと一言礼を私に向けて頭をくしゃくしゃ撫でた。

あ、素だ。


「お礼に今度菊崎さんの勉強みてあげるね」
「余計なお世話です」



価値


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