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どうしてこんな寒い中、外出しなきゃいけないのと問うところ千種から素晴らしいお答を頂いた。 「みょうじのプレゼントにアコギが欲しいとか言い出すからでしょ」 「そーですよみょうじ、これくらい我慢しなさい。僕なんて学ランの前を閉めるほど寒いんですからね!」 「や…それ微妙だし。つか学ランだけかよ。それに元を辿れば骸がクリスマスなんてやりません、プレゼントが欲しいならクリスマスが過ぎてからにしろとか言うから…」 「クッフ…あたぼうじゃないですか。神を信じてないのにクリスマスなんて出来ません。クリスチャンなんてクリスちゃんとデートでもしてればいいんです」 「クリスちゃんて誰。意味分かんないよ、アンタの思考が」 世は既にクリスマスを当に過ぎ、道行く人は年末年始で忙しそうだ。 それにしても寒い。 「何とかしなさいよパイナポー。骸の南国パワーを見せてみなさい!」 「また無茶な事を…行きますよ、かーめーはーめ…」 ズシャアァ… 「!!」 “波ー”と叫ぶ前に道ばたスリップする骸路上パホォーマンス並に素敵な転び方でした。 「クププププッ…誰ですかこんなところにパイナップルを置いたの。完全無欠の僕を転ばせるとは…後で帰ったら食べてやる!」 あー、寒いし。痛いし(骸が) 「さぁーむーいぃぃー!」 「うるさい」 そう呆れながら言うと、モッサリ帽子を頭にかぶせてくれた。「千種って南国なんだ?」なんて嫌味を口にしてみても、メンドイの一言で済ませちゃう千種はどこか大人だ。(でも…この帽子ちょっと臭い。加齢臭?!) 「僕からも…みょうじは仕方ありませんね。そんな薄着で…」 クフフと笑いながら上着を掛けてくれる骸。たまに紳士的になるところがまたなんともいえない。本人曰く、年中無休で紳士的だそうだが、実際「的」ってだけで真相は定かではない。 「僕のことは気にしないで下さい」 ちょっ…気にするなっていったって無理な話だと思う。 「学ランの下裸?!」 「骸様は変態だから」 「ぎゃー!!!痴漢変態!うわ最悪!!キモッ!!!」 ななな何てこった…私はコイツの素肌に触れていた物を肩に…?!どうりで生暖かいと…! バシィっと思い切り学ランを骸に投げつける。気色悪い!! 「クハハハ…照れ屋さんですね、みょうじは。僕の事は気にするなと…」 「照れてないし!うわっこっち来ないでよお願いだから!露出狂!」 *** 「あ"ー!さっみ!みょうじが言ってたアコー…何らっけ、ポッキー…ギター?買ってきたびょん」 「アコースティックギター。お疲れ」 「おしい!骸さんとパイナポーの差ジャン!!」 「ていうか…犬、それ…ウクレレ…」 「あり?やっべーミスった!みょうじは?」 「変態と格闘中だよ」 「は?」 *** 私は半裸の骸から体力が続くまで逃げ走った。お陰で体はポカポカだ。 「遠慮せずに、さあ!」 「遠慮なんてしてねーよ!ガチでお断りです、気色悪い!おまわりさーん!!」 「クハハハ、照れちゃって可愛いですねみょうじは」 「もういやァァァ!!変質者ァァァァ!!」 その後骸はお巡りさんに補導され、年明けを警察で迎えましたとさ。 骸がいうには、そんな日もある。だそうだが…いや、ない。ないない、ねーよ。どんな日だよ。 「僕はマフィアを滅却する男ですよ。警官ごときが僕の行く手を阻んでいいわけないでしょう、放しなさい。」 「警察の前に病院行くか」 「聞いてるのか?!待ちなさ…」 夜沢様へ相互記念!ギャグで対抗したかったんですが撃沈。 |