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怖がってたままじゃ何も始まらないし。幸村くんと、向き合わなくちゃいけないんだ。 「ゆ、幸村くんの趣味って何?」 「ん? …ガーデニング、かな」 「…っ、…?!」 “人間虐待かな”?! ひぃぃぃぃっ! 恐ろしい人だとは前々から気付いていましたが、こうもはっきりと公言されるといっそ清々しいです! どす黒いオーラさえ輝いて見えます。 本物の悪魔です、もはや人間じゃないです! 人間虐待なんて最低です、人間の敵です! 露悪趣味全開です‥‥っ! 「そ、そそ、そんなののどこが楽しいっていうんですか!」 「え、そんなのって…… やっぱり、咲いたところとか、綺麗だか」 「なっ!」 “泣いたところが綺麗”?! 変態です。最低です。 正真正銘のサディストです! 当たり前でしょ? なんて顔をされてもちっとも私には理解できません。私の方がおかしいみたいな目を向けてきますけど、私からしたら…いえ、常人からして幸村くんの方が相当おかしいのです。人間虐待とか人として最も卑劣で最低な行為をうっとりしながら言ってのけちゃう人間の方がおかしいに決まってます! 愛しそうに目なんか細めちゃうし‥‥どんなに私の目に綺麗に映ろうとも、言ってることは最低です。 「さっきからどうしたの? 顔色が…」 「さわ、触らないでください! この、ケダモノッ!」 「けだっ、?!」 「人間虐待なんて最低だし、泣いたところが好きなんて最悪です!」 「は? ぎゃくた…?」 「もうやだぁ」 「ええー (何か知らないけど泣くし)」 そもそも幸村くんを理解しようなんて思った私がいけないんだ。無理でした。私がいくら前向きに考えようとしても幸村くんの悪趣味には敵わなかったんです。やっぱり幸村くん怖いよぉ。幸村くんって苦手! 意識×幻聴=悪化 俺何もしてないよね? ガーデニングってそんなにマズイものだったっけ? いやいやそんなばかな。そもそも人間虐待とかその他もろもろはどこから? 一体、彼女の脳内で何が起こってるというのだろうか。 /似たような話ばっか書いてるような‥‥ |