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「どないしはったんですか先輩」 「白石君めっちゃかっこええ!」 そうはしゃぐ先輩の視線の向こうにはバレキスをノリノリで歌って踊っているハイな白石部長がいる。ちなみにここは部活後の部室だ。ちなみに、部長は上半裸だ。アレのどこがかっこええねん。じとっと睨むように部長を凝視する。…わからない。俺が見るからに今の部長にかっこいい要素は感じられない。寧ろイタイ。可哀相な子にしか見えない。というか見れない。 「先輩…眼球いかれたんとちゃいます」 「え、すごいかっこええやん。歌うまいし!」 「先輩…頭おかしなったんとちゃいます…あ、元から…」 「おちゃめやなあ白石君…」 再び部長を見る。ドゥーとかわけわからん事を叫んでいる。ラブミードゥーってなんやねん。…わけわからん。あんな部長にキャーキャー騒げる先輩もありえへん。なんやこの部活。ああもうイライラしてかなんわ。はよ家帰りたい。帰っていいすか。先輩が俺の服の裾を掴んでて無理そうだった。裾掴んどる先輩は可愛い。めっちゃ可愛い。ごっつ可愛い…でも視線の先には部長。ここかなり気に喰わん。ありえへんっちゅーねんあんなんのどこがええん。くねくねしとってキモイだけやないけ! 「今の見た光!ちょおすごない?最高やわ白石君!」 「はいはいはい」 「きゃー白石くーん!」 手を大きく振りながら白石に向かって笑いかける先輩ににこやかに手を振り返す白石。ウインク付きとかどないや、ありえへん。どこのアイドルや四天宝時のアイドルか! 「…先輩…?」 「え、なに?(ちょ、なんて甘えた声…!)」 「俺が白石みたいにバレキス歌ったら先輩喜んでくれはる?」 「光くん、呼び捨て」 「ええねん。それより、」 「いや、まあ光君がバレキス歌うのは非常に可愛いですよ、でもね、あの」 「なんすか」 「光にはそのままのかっこいい光でいて欲しい、です」 「……(アカン、反則や)」 もしもし、愛ですか 「財前め、いいとこ取りや」 「んもう、拗ねなくても蔵リンにはアタシが居てるやろ」 「小春ぅ浮気か!?」 「いや、居ってくれんでええわ。ユウジの側に居てやり」 「白石 お前ええ加減服着ろ!」 「いややなぁー謙也そないジッと見つめんといてや」 「いてまうぞコラァ!別に見とれてへんわ!」 /ソミュール |