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マルコ先生で学パロ


ごめんね先生だいすき

それに気付いた瞬間、私は学校が大好きで大嫌いになった。



先生には私がいるでしょう?

男子生徒がじゃれついて先生を困らせてる。

「彼女と別れたって本当ですかせんせー」
「うるせぇよい、余計なお世話だ」

しっしっ、と自分の周りに群がる数人の男子生徒を追っ払った先生と、目が合った。



先生がいてくれたらいいもん

二年生の冬といえば、進路指導。
大学、就職、専門学校……

いくら用紙と睨めっこしても、“先生のとなり”なんて書ける欄は見つからない。



先生はかっこいいしもてるよね

「貰えねぇよい」
「えぇーそんなこと言わずに!ね!!」
「…没収するよい」
「ありがとー先生!!」

バレンタイン、私はそんな光景に出くわしてしまった。
優しいよなぁ。
そう思って、私は綺麗にラッピングされたチョコレートボンボンが仕舞ってある鞄を握り締めた。



やだよ、せんせー

放課後、誰もいなくなった教室。
電気もつけずに、私は渡せなかったチョコレートをぼんやりと見つめていた。

いつか先生が、他の誰かのものになるかもしれないなんて。
考え出したら止まらなくて、私の頬を冷たい何かが伝ったような気がした。



「ずっと先生の生徒だなんて嫌です」

暗くなった廊下に、足音が聞こえた気がして顔をあげた。
そこには先生がいて、泣いている私を見ていつもは眠たそうにしてる目を見開いて慌てて近付いてきてくれた。

そしたら余計に涙が止まらなくなってしまって、私の口から出る言葉も止まらなかった。
ほら、先生が困ったみたいに笑ってる。

「どうしてだい?」

先生のことが、大好きだから。



先生、キスは教えてくれないんですか

「おれもだよい」

え?嘘、うそ、ほんとうに?
信じられなくって、何度も聞き返す私を抱きしめてくれた先生。

「秘密だよい」

そういって額を合わせて優しく笑ってくれる先生。
ねぇ、このまま秘密を増やしてもいいんだよ?



先生と生徒なんて関係で終わるつもりはないのです

「早く卒業したいな」

そう言ったら、先生は笑って待ってると返してくれた。

早く、早く、はやく。
この関係から抜け出したい。



私、勉強の次に先生が嫌い

「学生の本分は学業だよい」

そんなことを言う先生はだいきらい。
だけど、ただの“マルコ”は大好きなんだよ。



家庭訪問って緊張する

春休みを目前にして、今日は先生がうちに来る。
気合いを入れて掃除。
お母さん、お願いだから変なこと言わないで。

好きな人の前で、恥ずかしい思いなんてしたくないよ。



先生が好き過ぎて嫌になる

早く卒業したくて、早く生徒から抜け出したくて、1年なんて長いようであっという間だった。

卒業式の最中も、皆で記念撮影してる時も、友達が泣いてるなか私の心だけは急いていた。

はやく、はやく、早く。

最後に校門を出れば、私はもう先生の生徒じゃなくなれる。
ちゃんと、ちゃんと、マルコって呼べる。

校門を出てしばらく歩いて、私の足は自然と駆け出した。
そして見えてきたのは、卒業式のあとにこの下で会おう、ってずっと前に約束していた大きな桜の木。



「卒業おめでとう、ごんべ」

卒業生の担任は忙しいんじゃないのかなとか、仕事抜け出してきたのかなとか、そんなことは全部後回し。

「マルコっ!!」

私は、大好きなひとの胸に飛び込んだ。



Title>>DOGOD69様



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