目覚めた時既に時計は一限が始まる時刻を示していた。いっそ今日は休んでしまいたいと思ったが私の家は学校から二十分の距離にあり、通学時間を理由にすっぱり一日を諦めることが出来ない。週始めだからと自分を奮い立たせ、非常に重い体を引き摺って教室のドアを開けた。さっきの授業のノートは後で写させてもらうことにしよう。席に着こうとすると、細い指が机の端を叩いた。

「一限のプリント、この中に入れておいたよ」

顔を上げる暇もないほど早口で言って、亜風炉は二限の準備を始める。な、何だ亜風炉…お前いい奴か…?意外な気遣いに感謝しながら「ありがとう」と小さな声で呟いて机の中に手を入れる。ガサッと乾いた塊が指先に触れた。
おいこれは「入れておいた」っていうより「詰めておいた」の間違いじゃないのか亜風炉この野郎…。


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