「名前〜一緒にご飯食べよ!」

可愛らしい包みを片手に持つ友人達に返事をして隣を見る。昼休みに入ると同時に何処かへ行った亜風炉が戻って来る様子はない。居ないんなら使ってもいいか。ちょっと失礼して机を持ちあげる。

「あ、アフロディ君!」

アフロディ君って…その呼び方はマジだったのか…。失笑モノのあだ名を口にする友人の視線は私の隣に釘付けである。購買の袋を手にした亜風炉はさっと私から机を奪い取った。

「どうして勝手に人の机を勝手に動かしているんだい?」
「さっきまで居なかったんだから別にいいかなって思った」
「でも現時点で僕はここに居るんだ。だから君が机を使う権利は無くなった」
「そうだけど…」
「人に物を頼む時はそれ相応の態度があるよね」
「…どうか机を貸して下さい、お願いします」
「嫌だよ」

この野郎!

「それにしてもこの僕の机を使わせろだなんて、傲慢だね」
「傲慢、だと…?!じゃあ人に頭を下げさせた挙句断る亜風炉は何だ」
「神」
「ない。いくら中二病こじらせちゃったからってそれは痛い」
「ねえ名前…」
「何?」

振り向けば友人達は若干距離を置いたところで私を見ていた。

「私達他の所で食べるから…アフロディ君もごめんね。じゃあね!」

待て、どうしてそうなった。せめて私も一緒に連れていってはくれないか。
あっという間にドアの向こうへ消えた友人達に取り残された私は空しい思いを胸に抱え自分の席に着くしかなかった。サンドイッチを取りだした亜風炉が呟く。

「君と一緒だなんて折角の昼食が不味くなる」

こっちの台詞だこの野郎!


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