※注意※
『それでも俺は嘘を吐く』の続編になります。
ホムンクルス有りのEDになります、スレインとモニカのキャラが迷子です。
大丈夫な方のみ続きをどうぞ
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「……好きだ」
「……うん」
「……大好きだ」
「………うん」
「……愛してる」
「………〜っ、スレイン!」
名前を呼ばれたので抱きしめていた腕の力を少し緩めて彼女の顔を覗きこんでみる。
そこにはゆでダコみたいに真っ赤にした愛しい彼女…モニカの顔があった。
「どうした?モニカ」
「どうしたじゃないわ…いい加減恥ずかしいんだけど」
「なんで?誰も居ないのに」
「…それでも恥ずかしいものは恥ずかしいのっ」
そう言って彼女は俺の胸に顔を埋める。俺を突き放したり腕を振り払ったりしないんなら嫌じゃないって事だよな?そう解釈しておこう。
「ほら、そう顔を隠してたらせっかくの湖が見えないだろ?」
モニカを抱きしめる腕をそのままに俺は視線を目の前に広がる湖へと向けた。
いつだったか旅の途中で彼女と見つけた森の奥の湖。あの時は夕暮れ時で夕焼け色で綺麗だったが、今は今で天高くにその身を燃やす太陽の元でキラキラと輝いていて綺麗だ。
ー…あの時、モニカに二人で来たいと言われて俺は“約束”を交わした。
旅が終わってから二人だけで来ようって。その“約束”を守れないだろうと分かっていたのに。
だって俺は旅が終われば消えるだけだと思っていたから。
だけど、みんなのおかげで俺は今もこうしてこの世界に居られるんだ。
新しい世界、新しい生命、新しい人生。
あの頃は願ったって叶わないと思っていた事が今の俺には出来ているんだ。こんなに嬉しい事はない。
モニカと交わした色んな“約束”を果たせるんだ、一つ一つちゃんと叶えてやりたい。彼女を自分の手で幸せにしたい、いや…幸せにしてみせる。
思わずモニカを抱きしめる腕に力が入る。こんな事出来るだなんて想像もしなかったし出来なかったんだよなぁ。
「……スレイン、変わったわね」
「え?そうか?」
「だって前はこんな事全然してこなかったもの…」
そりゃそうだ。と言うか、したくても出来なかったんだよ。
だってあの頃の俺はグレイの体をずっと借りていたんだから。
グレイの気持ちを知ってたって言うのも有るけど、やっぱり俺が体を動かしていてもソレは“グレイの体”で。仮に俺がモニカを抱きしめたとしたら、ソレはグレイもモニカを抱きしめた事になる訳だし。
……そう言えば1回だけ抱きしめた事あったな。でもあの時は仕方ないというか、だって目の前で好きな女の子が泣いてたら体が動いて当然だよな。
って、俺は誰に言い訳をしてるんだ。あの頃ならいざ知らず今この体は俺の魂しかないって言うのに。
ビクトルが用意してくれていたホムンクルス。
今この体は俺だけの器、俺だけの体だ。遠慮なんていらない。
溜まってた感情も何もかも爆発してしまう。今まさに悪戯心が爆発しそうだ。
「……その言い方だとさ、モニカ」
「なに?」
「ずっとこうして欲しかった、って言ってる様に聞こえるよ?」
「ー……っ!」
こうやって意地悪を言うのも俺の口。
「どうなんだ?モニカ」
「し、知らないっ」
顔を真っ赤にしているモニカを見るのも俺の瞳。
「答えになってないよ?」
「だから…その……」
モニカの柔らかい体を抱きしめるのも俺の腕。
「ね、教えて…?」
彼女の耳元で囁けば後一押し。
「……………ずっと、こうして欲しかった。す、好きなんだから仕方ない…でしょ…?」
あぁ、どうしてこんなにも可愛い事を言ってくれるんだろう。
彼女の言葉一つ一つが俺をこれほどまでに甘く痺れさせる。堪らない感覚、止まらない愛情。溢れて出る幸福感。
「……うん、それなら仕方ないよな」
そんな言葉と共に彼女の唇に自身の唇を重ねる。触れたのはほんの数秒間。
「だから…」
驚いたまま固まっているモニカの頬に今度は軽く触れるだけのキスを送る。
「“これから”は期待しててほしいな」
(それでも俺は愛を囁く)
交わした“約束”を叶えてみせるから、
これからもずっと君の傍に居させてほしい。
・End・
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甘い小説を目指した結果がコレでした\(^o^)/
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