好きの安売り
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時は流れ……。



「おめでとうシロちゃん!」

「シロちゃん言うな!
俺はもう隊長だっ」


天才・日番谷冬獅朗が十番隊隊長となった。




そんな彼を五番隊副隊長の雛森が祝っている。

2人を少し離れた場所から微笑ましく眺めている男女。


「そ、…藍染隊長……」

「……何かな」










「何ですあのちっちゃい子、可愛い、好き」








当人が聞いたらキレそうな言葉を三コンボで発した女は叶華、五番隊四席だ。


「叶華、……今夜は私の部屋に来なさい」

先程と表情変わらず低い声を発したのが五番隊隊長の藍染。


「えー何でですかっ、あんな可愛い子見て好きになっちゃいけないなんて無茶です!」

「初めて躾てあげた100年近く前から何も変わっていないね叶華。毎年毎年飽きもせず……」

大きなため息をつく藍染。

毎年新入隊員が入る度に好きを連呼されるのだから、ため息もつきたくなる。



「そんなだから勘違いした隊員が玉砕して数日無断欠勤するんだよ」

「たまに自分の隊の子消しちゃってる惣右介にそんなこと言われたくないです」

「それが自分のせいだという考えに至らないのが不思議でならないよ」















「なんかあの2人揉めてねぇか?」

「どうしたのかな…」






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「叶華ちゃんやないの、こない遅くにどこ行くん?」
「惣右介の部屋」
「(あぁまた何か言うたんやね)ほな人に見つからんようにな」
「一緒に来てくれないの?」
「いやいやいや、行けるわけないやろ」
「……ギンくんも惣右介も優しさが足りないっ」
「(……お仕置きされに行きよるてわかってるん?あの子)」


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