別れ
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年老いていく君を眺めるのは苦ではない。

ただ……僕に気付かず、どこの馬の骨とも知れない男に手を引かれ、優しい笑顔を向ける姿には胸が痛んだ。






抱き締めようにもすり抜けてしまう手。

霊的知覚のない状態では触れることもできない。


君が子を為す様子も、病にかかる様子も…………そして死ぬ逝く時も、いつかもしもを信じて傍に居た。


まぁ、最期まで気付いてはもらえなかったが。












尸魂界に向かったであろう魂魄。


僕はきっと探さない。
向こうにいるのはもう叶華ではない。

生前の記憶は持ち得ないのだ。





だから、最後のわがまま。


夫も子供もいる叶華。

血の通わない唇を………。
最初で最後。




なんだかとても幸せな気がした。




((お疲れさま))
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「叶華、君が霊力を持たないことを願っているよ……」
「もう……誰にも心を乱されたくないからね…」


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