![]() == == == == == 藍染惣右介と出会ったのは随分前、もう何百年も前。 「もう昼休憩だけど、食堂に行かないのかい?」 初めて会った時、彼は上位席官だった。 隊舎の屋根の上でぽけーっと空を眺めていたら話しかけられた。 他隊ではあるが、気にしてくれたようだ。 まさか話しかけられるとは思っていなくて驚いた。 「……仕事終わりは食欲ないから」 「?」 彼らとは"仕事内容"が違うのだ。 「でも午後も仕事があるだろう。 何も食べないのは体に良くない」 そう言って彼はおにぎりを2つくれた。 食べきれないと1つは返したが。 それからよく会うようになった。 彼はすぐに私の仕事内容を知ったようだったが、興味がないのか一向に離れていかなかった。 お互い"そういうこと"には冷めていたから、若気の至りをやらかすこともなかった。 目の前で平然と着替えたこともあった。 会っては少し話して眠る。 人が寄り付かない静かな場所が欲しかったらしい。 「叶華は怖がらないね、これだけ力の差があるのに」 「……簡単に殺されるって分かってるのに疲れるだけじゃん。私は殺さないように怖がらせるのが仕事だし」 圧倒的な差を認めた上で無駄と断じる。 「じゃあ君を拷問しようか?」 「えー……藍染くん、間違えて殺しちゃうよ。 案外難しいんだよ?死神も結構脆いから」 膝を貸してあげているというのに指を折られそうになった。 「なに、怖がってほしい?」 「いや、何だか新鮮でね」 「演じるの止めたら皆びっくりするんじゃない?」 藍染くんって役者だから、と続ける。 彼が倫理的に良くない実験をしていることは知っている。でも止める気はない。ここは拷問室じゃないから。 死神にはなったけど崇高な理念なんて持っていない。 「ここは退屈だね……」 「遊んであげようか?君のカラダで」 悪人の目で笑ってる。 今まで拷問にかけてきた誰より悪い目だ。 「んー……藍染くんの遊びって病み付きになりそうじゃん…。楽しいことは知らないまま死にたいんだよね…。 私は弄られるより弄って吐かせるのが仕事だから」 ((認めよう、君は僕の友であると)) == == == == == == == == == == 「叶華、君いつか強姦されるんじゃないか」 「ん?藍染くん遊びたいの?」 「残念ながら女には困ってないよ」 「いい部下が見つからないんだっけ、頑張ってね」 「……だから服を着なよ…」 ← | → |