![]() == == == == == 「ええんですの?あの人、生かしたままで」 市丸の言葉に白伏で意識を奪った同期を思い出す。 「……構わないよ、彼女は非力だ」 叶華に抱いていた気持ちなど、誰にも秘密だ。 あの真っ直ぐな瞳も、真を言い当てる口も、私のために使われないのなら必要ない。 ……本当に残念だ。 力さえあれば、無理矢理にでも連れてきたのに。 だが仕方ない。 彼女は弱い。それは曲げることのできない事実だ。 だから、そう。 強くなって私の前に立ち塞がってごらん。 私の大切な友。 君は私の手で、殺そう。 ((開き続けた差)) == == == == == == == == == == 「っ、…はぁ……はぁ…………っく…」 「叶華は最期まで弱いままだ」 「ほん、とに……手加減…も、なんに…もないんっ…だから……」 「"手を抜くのと気を抜くのは違う"と言ったのは君だろう」 「そう…だった、かな………」 「さよならだ、叶華。……………永遠に」 ← | |