ころりと転がる
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「ええんですの?あの人、生かしたままで」


市丸の言葉に白伏で意識を奪った同期を思い出す。




「……構わないよ、彼女は非力だ」

叶華に抱いていた気持ちなど、誰にも秘密だ。







あの真っ直ぐな瞳も、真を言い当てる口も、私のために使われないのなら必要ない。



……本当に残念だ。

力さえあれば、無理矢理にでも連れてきたのに。

だが仕方ない。

彼女は弱い。それは曲げることのできない事実だ。





だから、そう。




強くなって私の前に立ち塞がってごらん。










私の大切な友。


君は私の手で、殺そう。





((開き続けた差))
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「っ、…はぁ……はぁ…………っく…」
「叶華は最期まで弱いままだ」
「ほん、とに……手加減…も、なんに…もないんっ…だから……」
「"手を抜くのと気を抜くのは違う"と言ったのは君だろう」
「そう…だった、かな………」
「さよならだ、叶華。……………永遠に」


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