弱さ
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「ホント…馬鹿みたいだよね。
全部分かってたのに…」

この想いの一切が無駄であること。

叶華は暗闇の中、しゃがみこんだ。



「――そんな事ないよ」



隣に藍染が立っていた。

闇に慣れない叶華とは違う。
こんな中でもちゃんと見つけてくれる。

それだけ闇が身近なものだった。






「僕は…叶華の前では"こう見てもらいたい"と思う姿であったつもりだよ。だから……叶華がそう思ってくれるなら、僕の努力も無駄ではなかったのかな」






藍染は叶華の頭を撫でた。

叶華にはその言葉に真偽は分からない。

「(信じたいから疑う……こんな気分なのかな…)」

頭を撫でる手に触れた。
これで最後だから。

最後に弱いのが、自分という女の弱点だと思う。



「――…惣右介……好き…」



手が震えていないことを願う。

「叶華、」

「だからね、惣右介。
迷わず進んで。間違ってないと思うから」

願わくばこの願いごと捨てて…。






「迷いも甘さも、私たちの幻想と一緒に捨てて行って…」



((私を斬り捨てられなかった貴方))
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「あと少しだけ……もう少しだけ一緒に居て」
「あぁ…」
「ねぇ憶えてる?霊術院でのこと」
「…会った時もこんな夜だったかな」
「うん。最初から最後まで…友達なの。でも明日からは赤の他人」
「そうか……寂しくなるね」
「だからいっぱい泣いちゃうかも。口封じし放題だね」
「封じる必要はないよ。他人なんだろう?」


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