見透かす視線
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瞬歩で距離を詰めた藍染は、叶華の右手を掴み上げた。



「っ、……なに?」

驚きを一瞬で隠すと、キッと睨み付けた。

「怖い目をする。
このまま僕に斬り殺されるかもしれないというのに…」

柄に手をかけるが、ふっと笑って下ろした。


「まったく…強情だね…」

「私1人が死んでも護廷隊の損失にはならない」

揺るがない瞳を満足そうに見つめる。





「その冷静さは評価に値するよ」




それほどに魅力的な人材ではあった。

しかし……。


「他人の評価に興味はないの」


「もったいない。
見る目といい、力があれば連れていったものを……」



眉をひそめる叶華。

「さっきから弱いとか力があればとか……。
そんなに力が大事?」

「当然だ。力のない者が何かを守れると思うかい?
得られるものがあると思うかい?」

そこで哀れむように目が伏せられる。










「力に取り憑かれて…可哀想な人……。

…でも、本当に欲しいのは力?
今でもそれだけの力があるのに。


惣右介くん……本当は力なんて…」







藍染は叶華の手を捻ると背後に回った。

そしてもう片方の手で目元を隠す。


「思ったことをすぐ口にする。それが推測でも。
叶華、君の悪い癖だ…」



((白き世界に伏して眠れ))
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「またその人の動向見てはるんですの?」
「あぁ、叶華は鋭くて困る」
「僕あの人苦手やわぁ…」
「ギンが……?珍しいこともあるものだ」
「人の心ん中、平気で暴くやないですか」


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