04
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「青江…や、ここは静かだねぇ……」




「僕の秘密の場所だよ。
騒がしいのはあまり得意じゃないんだ」




僕は何度か彼らに主の部屋に通られてしまった。

だから、仕方なく動いた。

主を連れて、本丸を出た。
もちろん、冬の寒空の下じゃない。

それから石切丸にだけ、この理由を話しておいた。

話すつもりはなかったけど、彼がしつこく聞いてくるから。

あぁ……違うかな。



彼に神隠しを疑われたから。















僕は主を自分の神域に連れてきた。



でも僕は主の真名を知らない。
だから主は現世との繋がりを持ったまま、人間のまま。

主が望むなら、主は現世に帰ることができる。

真名を知らない僕には主を縛り付けることはできない。


それでも構わない。

初めに言ったろう?
僕は主を人ならざるものにしたいわけじゃないんだ。

主には人のまま、終わってほしい。

だから僕はそれができる場所を提供しただけ。




誰にも追い詰められず、残りの時間を静かに過ごせる、それでいて望めば逃げ出せる、そんな空間を。




僕の神格程度なら追ってくる者がいてもおかしくないけど、どうやら石切丸は僕の邪魔はしないみたいだ。

近くに石切丸の力を感じる。

彼は御神刀だから神格は特に高い。

彼と肩を並べる神格の者もいるが、追ってこないということは石切丸が上手くやってくれているのだろう。















あぁ、あと少し……。




大丈夫、心配する必要はないさ。

すべて終わったらちゃんと連れて帰るから。
僕はどんな目に遭っても良いから。



眠る彼女を皆で弔ってあげなよ。



((僕は隠さない、そして誰にも隠させない))
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「石切や、邪魔立てはせんでくれぬか」
「さて、何のことかな」
「あれは本丸の主。1人が独占する存在ではなかろう」
「それは君にも言える言葉じゃないのかい」
「ふむ………"君にも"か。お主と違い、最近の若者は大人だな」
「……もしかして演技かい?」
「演じきれぬお主とは違う。酷い顔をしておるぞ」
「……私だって武器だからね、主に添い遂げたいと思うさ」


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