![]() == == == == == 「口に合わなかった?」 「いや、美味しいんだが……何分初めての感覚でね」 口許に手を当てて味の余韻を楽しんでいる。 「それじゃあよかった!」 安心したようでもう一口かぶりつく。 そして石切丸も先程の体験を感じ直そうと口を開けた。 と、その時。 とろり…… 先程食べて開いていた穴からクリームが溢れてきた。 「あっ……」 口を離してどうしよかと困っている石切丸。 夢叶は石切丸が驚くようなスピードで1個腹に収めた。 そして石切丸の後ろに回り、手を添えた。 「石切丸さん、シュークリームは強く持っちゃ駄目なんですよ。この辺りを優しく持って、クリームが出ないようにパクリ、と…」 と言ってそのまま食べてしまった。 「あ、」 石切丸の声に小さく笑って飲み込んだ。 「さ、次はこの辺を…」 流石に今度はどうぞと差し出された。 するとうまく食べられた。 そして夢叶が誘導するままに食べていく。 「じゃあ次はここです」 「至れり尽くせりだね」 そういってかぶりつくと、少しだけクリームが出てきて夢叶の指についた。 「おっと、すまない主」 「いいよ、後で拭けば……」 ぺろッ 「いや、私が汚してしまったから」 夢叶は呆然とし、口が開いている。 「主?」 「え、あぁ……いや、うん」 石切丸が首を傾げると一気に赤面した。 「あとは一気に食べていいからっ」 そう言うと嵐のように逃げていった。 「一気に……大口を開けるのは行儀が悪いのだけれど…」 しかし夢叶に言われた通りにするのだった。 ((口の周りが甘い)) == == == == == == == == == == 「主、昨日のお菓子、とても美味しかったよ」 「え、あ、ほんと?」 「あぁ。それで短刀の子達がまた食べたいって言っていてね…」 「主は忙しいだろうから良ければ僕たちで作ろうと思うんだ」 「それで作り方を教えてもらいたいんだ」 「いいけど……大きいのは作っちゃダメだからね。 クリームも入れすぎちゃダメっ」 ← | → |