声が聞きたいようです
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「結局声出なかったね。
やっぱり帰りに卯ノ花隊長に診てもらうかい?」

『大丈夫』

「…分かったよ。
でもしっかり休むこと、家事は僕がやっておくから」

ここで逆らうとまた何かされそうなので頷いた。

「じゃあ帰ろうか」










2人は手を繋いで歩く。


惣右介曰く、もし攫われた時に声が出さないから、らしい。

流石に心配しすぎだと思う。
ソラだって死神、瞬歩くらいお手の物だ。



「明日も声が出ないようなら卯ノ花隊長に診てもらおうね」


あまり心配させるのも悪いので、仕方なく頷いた。

ソラにとって声が出なくてもあまり困ることはない。
意思の疎通が面倒になるだけ。

好きな読書も普通に出来るし、仕事もちゃんとできる。




「まだ1日も経ってないのに、いつも聞いてるソラの声が聞けないのは寂しいものだね……」




そんなことを困った顔で言われたら断れるはずもない。

やっぱり言葉で繋がるのは大切なんだと実感する。

「(確かに、惣右介の声が聞けなかったらちょっと寂しいかも…)」


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「声が出るようになったらたくさん話そうか」
「(そうだね、やっぱり話すって大事だもんね)」コクコク
「ソラの色々な声も聞きたいな」
「(ん?色々な…?)」
「大丈夫、今は何もしないよ」


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