声が聞きたいようです == == == == == 「結局声出なかったね。 やっぱり帰りに卯ノ花隊長に診てもらうかい?」 『大丈夫』 「…分かったよ。 でもしっかり休むこと、家事は僕がやっておくから」 ここで逆らうとまた何かされそうなので頷いた。 「じゃあ帰ろうか」 2人は手を繋いで歩く。 惣右介曰く、もし攫われた時に声が出さないから、らしい。 流石に心配しすぎだと思う。 ソラだって死神、瞬歩くらいお手の物だ。 「明日も声が出ないようなら卯ノ花隊長に診てもらおうね」 あまり心配させるのも悪いので、仕方なく頷いた。 ソラにとって声が出なくてもあまり困ることはない。 意思の疎通が面倒になるだけ。 好きな読書も普通に出来るし、仕事もちゃんとできる。 「まだ1日も経ってないのに、いつも聞いてるソラの声が聞けないのは寂しいものだね……」 そんなことを困った顔で言われたら断れるはずもない。 やっぱり言葉で繋がるのは大切なんだと実感する。 「(確かに、惣右介の声が聞けなかったらちょっと寂しいかも…)」 == == == == == == == == == == 「声が出るようになったらたくさん話そうか」 「(そうだね、やっぱり話すって大事だもんね)」コクコク 「ソラの色々な声も聞きたいな」 「(ん?色々な…?)」 「大丈夫、今は何もしないよ」 ← | → |