状況把握に努めたようです
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「おはようソラ」

「…」

ソラは笑顔を向けただけで朝ごはんを作り始めた。


「…ソラ?
僕、何か怒らせるようなことしたかな?」


いつもなら元気な声を返してくれる恋人に心配になった惣右介。

だが首を横に振られる。
余計心配になる。




2人は昔から付き合いのある幼馴染などではない。

ただ単に惹かれ合ったから付き合っている。

お互い死神としての仕事もあり、常に一緒ではない。
そして付き合ってせいぜい5年といったところ。

つまりは年月で知ることの出来るモノをまだ知らない。




「言いたいことがあるなら言ってほしい。
僕だって何でも分かるわけじゃない」

お願いするように下手に出る。

するとソラが振り返った。

とんとん
人差し指で喉を示し、首を横に振る。

「……喉の調子でも悪いのかい?」

だがそれも違うようだ。

口をパクパクさせ、首を振る。



「…もしかして、声が出ない…?」



するとコクコクと頷かれた。

「それは大変だ…!
すぐに4番隊に…」

慌てていると袖を引っ張られた。

ソラは明るい表情で自分の胸を叩いた。

「大丈夫って…?」

笑顔で肯定されて対応に困る。





「でも話せないと仕事も困るだろうし…。
今日は休んでもいいんだよ?

隊士たちには僕から伝えておくから」





だが納得はしてくれないようだ。

指でバッテン印を作っている。

「……分かったよ、でも無理は禁物だよ」

親指を立ててOK!とでも言いそうな笑顔だ。


ソラが作った朝食が食卓に並ぶ。
2人はそれを食べ、いつものように隊舎に向かうのだった。



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「ソラ、嫌なことはちゃんと首を振って断るんだよ」
「(うん、わかってる)」コクコク
「もし困ったことがあったらすぐ僕のところに来るんだよ」
「(大丈夫だよ)」コク
「…やっぱり心配だから治るまで休んで…」
「(いや!)」ブンブン
「……そんなに嫌がらなくても…」


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