![]() == == == == == 「やぁソラ、今日は外は雨みたいだね」 背後から声をかけてきた同族に、ソラはあからさまに嫌そうな顔をした。否、実際嫌なのである。 『はぁ?名古屋から来た私がずぶ濡れに見えるわけ?』 遂に目まで腐ったんじゃないの、とは言えない。 いや、先の言葉すら音にはなっていない。 「ん?名古屋から来るのに雨に降られた? それは大変だ。僕の屋敷においでよ。シャワーを貸すよ?」 こいつ話聞かない…と思っているとなんと手が早いことか。 腰に手を回して屋敷の方向に歩き始めている。 『離せー変態ッ!!』 その一声はやはり届かないのだった…。 「声が出ないんだって? ついでだから喉の調子も見てあげようじゃないか」 間際にそんなのことを言われてぷっちーん。 密告者はだぁれだ? とりあえず今すぐ名古屋に帰りたい。 変態と一緒にいられるかっ! ついでにチクったの名古屋の君じゃないかな!? == == == == == == == == == == 「はいはい、シャワールームはこちらでーす」 『だから濡れてないっての!』 「んじゃ脱いじゃお脱いじゃおー」 『楽しむなっ!』 「あっ、逃げちゃだめじゃないか」 ← | → |