![]() == == == == == 「ソラって何で笑わないの?」 ソラは首を傾げるばかりだった。 「つまらない?」 『わからない』 手のひらに書かれた文字になるほどと思う。 きっとそういう感情が育める場所にいなかったのだ。 『わらわないとだめ?』 「ダメじゃないけど、人生楽しくなさそうだから」 『たのしい わからない』 感情を知らないだけ。 知ればきっと人並みに表情を持つだろう。 「(んー……でもボクも表情豊かな方じゃないし……)」 見本にはならない。 「(蓮示くんは論外だし、イトリさんはいらないこと教えそうだし……まともな人いないかなぁ…)」 ちょっと自分の人間関係を悲しく思った瞬間だった。 「ボク的には笑ってほしいな」 「?」 「だって喋れないんだから、表情くらいじゃないとどんな気持ちなのかとか分からないでしょ」 表情を持ったソラを見てみた好奇心もある。 『わらったら うたうれしい?』 「うん、嬉しい…」 すると自分の頬をムニムニと触るソラ。 『わらう がんばる』 == == == == == == == == == == 「ウーさんが子育て!?なにそれ、どんな冗談!?」 「……冗談じゃない、本当に居た」 「うっそーん」 「喋れない子供だそうだ」 「ウーさんがねぇ……いつか喰べちゃうんじゃない?」 「さぁな……あいつの考えは読めん…」 ← | → |