04
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「――あーっ、すみませーんッ!!」




店のドアを開けようとしたらそんな声が聞こえた。

カラン…

「いらっしゃい夢叶ちゃん」

入見が迎えてくれる。

「帆糸ォー!毎月毎月、何枚割るつもりだクソドジ!!」
「ごめんなさいい〜〜〜〜!」

客が夢叶と分かり、遠慮なくロマを罵倒する。


「お客さんの前でみっともないわよ」

入見が注意するが錦は怒りが収まらないようだ。

「西尾くんは相変わらずだなぁ…」

夢叶が微笑ましく見ているとロマが寄って来た。

「西尾先輩怖いっす〜」
「ロマてめぇ…!」

ロマが背に隠れたためまるで自分が怒られている気分だ。

「まぁまぁ西尾くん落ち着いて、」






「んん!…すごくイイ匂いです」






スンスンと匂いを嗅がれているのが分かり、背筋がゾクっとした。

「……身の危機だぜ、夢叶さん…」

新入りだと思って甘やかしているとマズいかもしれない。

「おいロマ!その辺で止めとけ。
その人に手出すとあの人に目付けられんぞ」

至近距離にいたためか、げっ、と小さな声で聞こえた。


「おら、さっさと片付けろ」

足蹴にされながら割った皿の片づけをするロマ。

「ごめんなさいね、夢叶ちゃん」
「いえ……また賑やかになりそうで…」

と言うよりすでに賑やかになっている。



「はい、これでいいかしら」


珈琲豆を渡される。

「ありがとうございます」

今日は豆が切れたのだが仕事で忙しいウタに代わり、おつかいに来たのだ。

いつものブレンドの物と自分用の物を買った。


帰りにイトリの所で血酒を貰ってきてと言われていることを思い出し、長居せずにあんていくを出た。



((――時までには帰ってきてね))
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「あんていくは個性的な人の集まりだね…」
「あぁ、ロマね」
「知り合い?」
「まぁそんなトコ。ほれ、お望みの物だよ」
「ありがと」
「でも夢叶に手出そうとしたってんならウーさんに教えてやるかね」
「そこまでしなくても。西尾くんが止めてくれたし」
「あれが人に言われて止まるとは思えんがねぇ…」


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