03
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「そーいや、夢叶はリゼと仲良かったわよね」


イトリに言われて少し前を振り返る。

「……あれを仲が良いって言うなら…」

一緒に読書したりあんていくで珈琲を飲んだりしたのだが、どうにも視線が獲物を狙う肉食獣のようだった。

たまに匂い嗅がれたり舌なめずりもされた。




「ぼく、いつか夢叶がリゼさんに喰べられちゃうんじゃないかって冷や冷やしてたよ」




リゼと出掛けると言うとあまりいい顔をされなかった。

「確かに、リゼさんの"喰べない"はちょっと怪しかったし」

「その割に、帰ってくると楽しかったって言ってたよね…」

たまに身の危機は感じるが、リゼとの話は楽しかった。


「ウーさんが珍しく嫉妬してたもんね」

そんな感じは一切なかったので意外だ。

「……今は取られる心配ないから嬉しい」
「あははー…」

抱き締められて疲れたような笑いしか出てこない。




「おーい、イチャつくなら自分トコでやっとくれー」




「じゃあ帰る?」

「嫌!今日は飲む気満々で来たんだから」

そう言ってイトリに酒のおかわりをお願いする。

「そんなに飲むと酔っちゃうよ…?
明日頭痛くなってもぼくどうにもできないよ…?」

今はどれも帰るための口実にしか聞こえない。

「いいの!飲める時に飲むの」


二日酔いなんて気にしない飲みっぷりに諦めたようだ。

ウタも血酒のおかわりをもらっている。

「夢叶酔うと寝相悪いからなぁ……」

「はいはい、んでどーせ惚気話に持ってくんでしょ。
ウーさんのそれは聞き飽きたっての」



((酔わせて持って帰んな))
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「ウーさんなら酔った勢いでヤっちゃいそうだけど」
「…なんで?」
「だって夢叶忘れちゃいそうじゃん」
「……ぼく最中に吐かれるの嫌だなぁ…」
「あぁ…それで?」
「んー……折角抱いたのに忘れられるって哀しいからかな」


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