![]() == == == == == 外は真っ暗だった。 白鳩が11区に集っていることもあり、4区では普段より食糧探しに出ている喰種が多かった。 夢叶はなるべく安全な道を通り、店を目指した。 ある程度まで行くと、喰種に襲われる心配も減る。 4区でウタが元リーダーと知っていて、店の周囲で騒ぐような馬鹿は滅多にいない。 カラン… 表の札は"CLOSE"だったが、扉は問題なく開いた。 どうやらもう帰っているようだ。 「ウター…?帰ってる…よね?」 店も外のように真っ暗で、人の気配がしない。 慣れた空間でも視界が悪いと足も竦む。 店にも奥の私室にもウタの姿は見受けられない。 ゴリッ… 耳に残る嫌な音。 音のした浴室に向かう。 そこも明かり1つなかったが、何か硬いものを無理やり折るような音がしていた。 「…ウタ…?」 不安になり、名を呼び確かめてみた。 「夢叶……?」 聞き慣れた声に漸く安心する。 無事を自分の目で確認しようと浴室の扉を開ける。 ((闇に隠れた秘密)) == == == == == == == == == == 「あ、蓮ちゃん?カネキチ救出お疲れー」 「…なんだ」 「ところでウーさん変じゃなかった?」 「ウタ…?」 「ほら、そこら辺の人間てきとーに殺しちゃったりさー」 「……あいつなら勝手にいなくなった」 「あら、そう……まずいわねぇ」 ← | → |