02
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「夢叶、買い物行こ…?」


ウタの店は人間の客も訪れるが、ほとんどが喰種だ。

そのため店先にはあまり出ないようにと言われている。
暇を持て余している夢叶は店の奥で絵を描き耽っているのだ。

「お店は…?」

今はまだ営業時間のはず。

13時から21時が営業時間だが、修理などは営業時間外に縺れ込む。その影響に加え朝が弱いので、起きるのは大体昼前。

そうなると、店を休まなければ買い物には出られない。

営業時間後となると、開いている店は限られてくる。




「今日は18時からにする……」




この店は店主の気分次第で開店時間が変わったりする。

常に開けていても忙しなく客が来るわけでもない。
故に必ず開けておく必要性はない。

修理をしてもらいに来た客は、大抵モノを投げ込んでいく。


「で、買い物って何買うの?」















「マスクの材料も買ったし………ご飯は買った?」


紙袋を幾つか抱えた2人。

「うん!」

ほら、と紙袋を見せる夢叶。

喰種であればその距離でも不快感を感じかねない。
だがウタは嫌な顔一つせず笑った。

夢叶がウタの食事を否定しないことに起因している。



「なにか食べてく?」


出掛けたついでに、とスイーツを薦めてきた。

「滅多に食べないし…」

「いいよ。
この前、イトリがお客さんからの横流ししてくれたから」

「そう?じゃあ帰ろっか…」


((仲が良い?いえ、迷子防止です))
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「イトリさんに餌付けされちゃダメだよ…」
「餌付け…!?」
「今の夢叶、まさにそれだから…」
「だって、イトリも処分するには心が痛むからって」
「喰種が人間の食べ物捨てるのに心は痛めないよ…」
「ぅ……でも私もおやつ食べれて一石二鳥だもん」
「そんなに食べたいならぼくが買ってあげるから…」


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