02
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「でね、人が知らんぷりしてるのにチラチラ見てくるの!」

イトリの店に押し掛けた夢叶は早速愚痴っていた。

「ばったり会うなんて夢叶も運悪いわねぇ」

突然押し掛けた夢叶にコーヒーを出したイトリ。
だが今はお酒が提供されている。





「ところで夢叶、臭うわよ」





「!?」

袖やジャケットの匂いを嗅いでみる。

「そんなんでウーさんとこ行ったら怒られるわよ?」

「え、なんで?
何か臭うの?」

喰種ほど嗅覚は優れていない。



「血よ、血の臭い。
何で夢叶から喰種の血の臭いがするんだか……」



そう言われて最近の血生臭い出来事を思い出す。

「ちゃんとお風呂入ってる?」

「は…入ってるよ!
この前は疲れてたからシャワーで済ませただけで…」

什造に付き合って食事に行く前のことだ。

あの時の喰種の血臭が染みついていたようだ。

「ウーさんとこ行くならお風呂入ってからにしなよ」


「いいもん…。
行く気ないから…」






「何で来ないの……?」






聞き覚えのある声に慌てて出入り口を見た。

「ぅ…ウタ…」

「いらっしゃい、ウーさん。
まだ開店前なんだけど?」

「カネキくんが連れて行かれたって……蓮示くんが」

夢叶はニコたち2人組だと思った。

実際は他にも来客が居たのだが。

「夢叶も店に居たって言うから…。
無事みたいで良かったけど」

心配して探してくれたらしい。

しかし、いかせんタイミングが悪い。




「何でぼくのとこ来ないの?
最近ずっと来てくれないよね…。

それに、何で血の臭いさせてるの…?」



((どこへ行ってもタイミングが悪い))
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「ありゃりゃ。
夢叶は今日、厄日ね〜。
最近会ってない上に今日の条件じゃウーさんも冷たくなるわ。
男の独占欲ってやーねぇ。
…にしても、ホント何で血の臭いさせてるのかしら」


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