02 == == == == == 「喰種レストランが襲撃されてる…?」 久しぶりにイトリの店に飲みに来た夢叶とウタ。 イトリがネタの宝庫が〜、と嘆いている。 「それがカネキチじゃないかって。 美食家くんに手引きしてもらえば簡単だし」 なるほど、と思う。 月山の用途にはこんなものまであるようだ。 「彼に情報回してもらえば?」 「やーよ。下手に頭の回る奴の情報なんてホントか分かったもんじゃないし、馬鹿高い情報料取られそうじゃない」 彼、というのが誰かは知らないが、性格悪そうだ。 だが、そんな知り合いがいるとは、ピエロは本当に顔が広い。 「最近は6区の辺りで活動してるみたいよ。 表立っての活動は7区、8区、18区だけど」 その3つの区は隣接している地区。 喰種は白鳩の目を散らせようと同じ痕跡を集中させはしない。 もしするならば、それだけの理由がある。 「6区……?何かあったっけ?」 最近は11区の話題で盛り上がりすぎて覚えがない。 「まぁ夢叶チャンは知らんでも仕方ないか〜」 何となく無知と馬鹿にされた気分だ。 「…リゼさんが20区に来るずっと前に居たのが6区だよ」 その名前を聞いたのは随分久しぶりだった。 「じゃあカネキくんはリゼさんの痕跡を探してるの?」 「カネキ君が生きてるのはリゼさんのおかげだしね」 喰べようと殺しかけたのはリゼさんだけど、と付け足される。 「リゼさんの赫包移植されてるから赫子もにおいも似てるよ」 「カネキくんって元から喰種じゃないの?」 本当に今さらな質問をする。 「……夢叶ってばホント無知ねぇ…」 イトリの盛大なため息には流石にショックを受けた。 「じゃあカネキくんがリゼさんを追うのも当然ってこと?」 「ま、あたしがちょこっと情報を授けてやったからね」 だが疑問が1つ残る。 「でもリゼさんって死んだんでしょ?」 落ちてきた鉄骨に潰されたと聞いている。 中々に壮絶な死に方だ。 喰種の再生が追い付かない程の損傷なのだから。 「今さら昔のこと探ったって…」 「嘉納とアレがつるんでるんじゃ、ホントに死んだのかどうか」 ((幽霊の足跡)) == == == == == == == == == == 「その人もピエロ?」 「んーそうだけど」 「ぼくら普段は横の繋がり薄いから」 「お互い何やってるかなんてほとんど把握してないし」 ← | → |