![]() == == == == == 「すみません、アイス珈琲のおかわりを」 「ココアおかわりです」 「あと、このミックスサンドってのを」 1杯目を飲み終えおかわりを注文する。 「店員さん、ちょっと聞きたいんだけど」 漸く本題を仕掛けて来た。 「ここで以前男の子がバイトしてなかった? 金木くんていう…」 「…はい、一時期働いていました。大学生の…」 篠原は金木が今は来てないのかと董香に質問した。 「はい、今は……それがどうかしましたか?」 疑問に思いながらも取り繕う。 「ちょっと調べものをね」 「…"喰種捜査官"?」 手帳を見せた篠原に対し、上手くとぼける。 「カネキくんはいつからここでバイトを?」 「10月からだったと思います」 「いつ頃いなくなったの?」 「去年の12月ぐらいに急に……連絡もつかなくて」 10月ということは例の事件の後。 つまり手術を受けた後、ここで働いていたということ。 そして大学に来なくなったのも12月。 「……ん?」 そこで什造が董香をジーッと見ていることに気付く。 「どこか悪いです?」 「…は?」 董香は何のことか分からず首を傾げた。 「なにか"吐いた"?」 微かに動揺する董香。 「……君さ、どこかで会った事ない?」 「……いいえ?」 篠原は真実を探るように、董香をそれを隠すように。 「――珈琲とミックスサンドです」 店長はそれらを運んできたため、視線が外れた。 「カネキくんはいい子でしたよ。心優しくて手先が器用でした」 董香を庇うように立つ店長。 「探し物の助けになるかわかりませんが、――彼は"臓器移植"の受給者(レシピエント)だったようです」 店内でも抑制剤を服用していたと伝える。 2人の話を気にせずミックスサンドを頬張る什造。 「…他に変わった様子はありましたか?」 「そういえば、」 ――どこか遠くへ行きたいとはこぼしていましたね ((ほら、あの年代の子ですし)) == == == == == == == == == == 「篠原さん、これウマしです」 「そりゃ良かったね」 「食べないです?」 「……ここに何しに来たんだった?」 「カネキくん探しです」 「……(うん、こりゃ1人でやった方が早いね)」 ← | → |