03
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「すみません、アイス珈琲のおかわりを」
「ココアおかわりです」

「あと、このミックスサンドってのを」

1杯目を飲み終えおかわりを注文する。



「店員さん、ちょっと聞きたいんだけど」



漸く本題を仕掛けて来た。

「ここで以前男の子がバイトしてなかった?
金木くんていう…」

「…はい、一時期働いていました。大学生の…」

篠原は金木が今は来てないのかと董香に質問した。

「はい、今は……それがどうかしましたか?」

疑問に思いながらも取り繕う。

「ちょっと調べものをね」
「…"喰種捜査官"?」

手帳を見せた篠原に対し、上手くとぼける。



「カネキくんはいつからここでバイトを?」

「10月からだったと思います」

「いつ頃いなくなったの?」

「去年の12月ぐらいに急に……連絡もつかなくて」



10月ということは例の事件の後。
つまり手術を受けた後、ここで働いていたということ。

そして大学に来なくなったのも12月。

「……ん?」

そこで什造が董香をジーッと見ていることに気付く。

「どこか悪いです?」

「…は?」

董香は何のことか分からず首を傾げた。





「なにか"吐いた"?」





微かに動揺する董香。

「……君さ、どこかで会った事ない?」
「……いいえ?」

篠原は真実を探るように、董香をそれを隠すように。



「――珈琲とミックスサンドです」



店長はそれらを運んできたため、視線が外れた。

「カネキくんはいい子でしたよ。心優しくて手先が器用でした」

董香を庇うように立つ店長。

「探し物の助けになるかわかりませんが、――彼は"臓器移植"の受給者(レシピエント)だったようです」

店内でも抑制剤を服用していたと伝える。

2人の話を気にせずミックスサンドを頬張る什造。

「…他に変わった様子はありましたか?」

「そういえば、」







――どこか遠くへ行きたいとはこぼしていましたね




((ほら、あの年代の子ですし))
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「篠原さん、これウマしです」
「そりゃ良かったね」
「食べないです?」
「……ここに何しに来たんだった?」
「カネキくん探しです」
「……(うん、こりゃ1人でやった方が早いね)」


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