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昨年、大量の捕食被害を出したとされる喰種……20区に潜む最大の怪異…消えた"ビッグイーター"の謎



ニュースではそんな話題を取り上げていた。

『喰種は見た目こそ我らと同じヒトですが、人間の死肉で空腹を満たします。その捕食量は個体差もあるとされていますが…』

司会進行役の男が簡単な解説をしている。

ビッグイーターは判明しているだけで月2人の犠牲者が出ている。

画面が喰種の専門家だという男に切り替わる。

『この"ビッグイーター"…あ、これは私がそう呼ぶ事にしたんだ。彼らは慎重だから月に1つも死体があれば十分な収穫なんだよ』

そこから太っちょか成長期の喰種だと推測する専門家。





「これって"大喰い"のことです?」


什造の問い掛けに「そ」と肯定する篠原。

「小倉久志は喰種の専門家じゃない。自分なりにかき集めた情報であれこれ吹聴するただの"喰種フリーク"」

「喰種フレークですか」

「そう…違う」

若干違っていることを見逃さず訂正する。

篠原曰く、彼らがいるから一般層の認識が甘くなるらしい。




「"大喰い"は食欲の強さからおそらく10代から20代前半の若い喰種だと睨んでいた。んで、女子」




「……?なんで女の子です?」

被害者の特徴は線の細い容姿が整った男性だった。
そこから面喰いだったんだろうと予想したらしい。

「オカマさんの喰種かもしれないです」

「…おお、その発想はなかったよ什造くん」

篠原としては鉄骨事故で死亡した少女と結び付けたいようだ。

「この職もボチボチ20年になるけどオカマの喰種は見たことないなぁ」

そう言って予想の範囲での雑談に持っていく。







「――店長、あの人たちって…」


それをカウンターの中から見ていたロマと店長。

「…ああ、喰種捜査官だよ」

その時、再び店の扉が開いた。

「お疲れ様です」
「トーカちゃん…」

学校帰りの董香だった。

「学校帰りで寄ってみたんですけ…タイミング悪かったですね」

董香もすぐに什造たちが白鳩であることに気付いたようだ。



「ロマ、顔色悪いよ。
…後ろで休んでな」



((キャリアが違うんだよ))
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「スミマセン…またお皿割っちゃいました…」
「アンタこれで何枚目よ?高い皿だってあんのよ。
1枚1,000円だとしたら、1万円は店長に返しなさいよ」
「ごめんなさい〜……」
「"1枚1,000円だとしたら"」
「?」
「トーカちゃんはこれまでの合計、6万2千円返してね」
「……!!」
「うわぁ……」


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