![]() == == == == == 「まぁまぁ…あたしの店だ。 くつろぎたまえよ、カネキチくん」 14区、イトリの営むバー"Helter Skelter"。 そこには金木、イトリ、ウタ、蓮示がいる。 「こういうお店初めてで…」 成人に達しているとはいえ、金木は文学少年。 自ら進んでこのような店には入らない。 「でもカネキチが会いに来てくれてうれしいよ、あたしゃ」 ウタと蓮示から金木の話を聞き、会いたかったそうだ。 「マスクの時ね」 「夢叶だって知ってんのに、ずるいって思ってたとこよ」 そしてイトリは蓮示の外見を指摘した。ヒゲを放置していることを小汚い、10年前から同じ服着てない?と。 「カネキくんも大変でしょ? こんな面倒な男が近くにいて」 「い…いえ全然」 少し申し訳なさそうに、それでいて照れながら。 「僕なんか皆さんに助けてもらってばかりで、いつも申し訳ないです…」 その言葉に口を開けて固まるイトリ。 「エー子や!この子すごい純! あたしらが失ったピュアな心を持ってるね!」 抱き寄せられた金木はイトリの胸が当たり慌てている。 「ぼくは今もピュアだよ」 「あは〜♪今の言葉、夢叶が聞いたらなんて言うか」 蓮示まで頷いて賛同するので、ウタは首を傾げた。 「あ…あの…4人は昔からのお知り合いなんですか?」 「そうよ、蓮ちゃんが4区に来た時からの腐れ縁みたいな」 以前夢叶に言われたことを思い出す。 "1区から4区なんて基本住めたもんじゃないよ" 「昔は蓮とウタ、すっごい仲悪かったんだよ」 「そうなんですね…」 「2人のせいで昔の4区って今より滅茶苦茶だったんだから。 こっちは迷惑だっての」 「ごめんね、10代ってそうさ」 「…ほかの奴の事なんか知るか」 「今は仲良しだよね、ぼくたち」 しかし蓮示ははっきりと答えない。 「まぁあの後、夢叶を飼うとか言い出して。 しかも結局付き合ってるし」 「美味しそうっては思うけど、もう喰べたいとは思わない…」 ((喰種の集い)) == == == == == == == == == == 「飼うって…」 「ウーさん、初めは夢叶のこと喰べる気満々だったもんねぇ」 「…美味しそうな匂いしてるから」 「過去形じゃないトコが怖いわよねー」 「あ…あははぁ…」 ← | → |