02
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「まぁまぁ…あたしの店だ。
くつろぎたまえよ、カネキチくん」



14区、イトリの営むバー"Helter Skelter"。

そこには金木、イトリ、ウタ、蓮示がいる。



「こういうお店初めてで…」

成人に達しているとはいえ、金木は文学少年。
自ら進んでこのような店には入らない。

「でもカネキチが会いに来てくれてうれしいよ、あたしゃ」

ウタと蓮示から金木の話を聞き、会いたかったそうだ。

「マスクの時ね」

「夢叶だって知ってんのに、ずるいって思ってたとこよ」


そしてイトリは蓮示の外見を指摘した。ヒゲを放置していることを小汚い、10年前から同じ服着てない?と。

「カネキくんも大変でしょ?
こんな面倒な男が近くにいて」

「い…いえ全然」

少し申し訳なさそうに、それでいて照れながら。

「僕なんか皆さんに助けてもらってばかりで、いつも申し訳ないです…」

その言葉に口を開けて固まるイトリ。




「エー子や!この子すごい純!
あたしらが失ったピュアな心を持ってるね!」




抱き寄せられた金木はイトリの胸が当たり慌てている。

「ぼくは今もピュアだよ」
「あは〜♪今の言葉、夢叶が聞いたらなんて言うか」

蓮示まで頷いて賛同するので、ウタは首を傾げた。


「あ…あの…4人は昔からのお知り合いなんですか?」

「そうよ、蓮ちゃんが4区に来た時からの腐れ縁みたいな」

以前夢叶に言われたことを思い出す。
"1区から4区なんて基本住めたもんじゃないよ"

「昔は蓮とウタ、すっごい仲悪かったんだよ」

「そうなんですね…」





「2人のせいで昔の4区って今より滅茶苦茶だったんだから。
こっちは迷惑だっての」


「ごめんね、10代ってそうさ」

「…ほかの奴の事なんか知るか」

「今は仲良しだよね、ぼくたち」





しかし蓮示ははっきりと答えない。

「まぁあの後、夢叶を飼うとか言い出して。
しかも結局付き合ってるし」

「美味しそうっては思うけど、もう喰べたいとは思わない…」


((喰種の集い))
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「飼うって…」
「ウーさん、初めは夢叶のこと喰べる気満々だったもんねぇ」
「…美味しそうな匂いしてるから」
「過去形じゃないトコが怖いわよねー」
「あ…あははぁ…」


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