![]() == == == == == その後、少しずつ会話を重ね、名前を聞き出す事も出来た。 「ナンパされた女の子みたいで面白かったなぁ」 ナンパなどしたことのない金木にはよく分からない例えだった。 「殺し合い続けるのも面倒だったし、仲良くやろうかなって思ってね。ちょうど同年代のともだちも少なかったし」 若くして区のまとめ役になったウタ。 喰種に年功序列なんてものはない。 だが、どこにでも年下には従いたくない者はいる。 「そしたら蓮示くん"強くなりたい"なんて言うから」 まるで少し前の金木だ。 あの時ウタは笑ったが、蓮示は十分強かった。 「いがみ合ってたぼくらも次第に打ち解けていったんだ」 ――ただ、4区にやってきたのはカラスだけじゃなかった。 「――狙いはピエロに関わる喰種だ。4区は喰種の数も多い。 気を引き締めていくぞ、平子」 「はい、有馬さん」 ((2羽の白鳩)) == == == == == == == == == == 「ここで殉職したら喰種の餌にされてしまいそうだ」 「…そうですね」 「平子はする気なさそうだな」 「まぁ…妹がもうすぐ誕生日なので」 「……浮かれていないか?」 「いえ、全く」 ← | → |