![]() == == == == == 「あれ…」 店を出た夢叶は早速問題の人物を見付けた。 「月山くん」 すると派手なスーツを着た月山が振り返る。 顔を見ずともスタイルと服装を見れば大体分かる。 「おや、リトルレディじゃないか! 今日も食欲をそそる香りだね、元気だったかい?」 「月山くんって一言余計だよね」 どうやら蓮示の言っていたことは本当のようだ。 「あとその"リトルレディ"っての止めてくれる? リトルって歳でもないから」 「僕からすればまだまだリトルだよ」 頭の上に手を置かれる。 身長のことだと分かり、納得する。 スタイルの良い月山と比べるとまだまだ身長は低い。 「だが、そうだな…。 確かにリトルは卒業でもいいかもしれない」 1人でぶつぶつ何かを呟いている月山。 「よし!今日から"レディ夢叶"にしよう! 記念にこれから僕とお茶でも…」 「さっき蓮示にコーヒー淹れてもらったから遠慮しとくね」 「oh,まさか四方氏に先を越されるとは…」 残念がる様子は些か大袈裟だ。 「ところでこんな所でどうしたの?」 何となく予想はつくが、聞いてみる。 「招待したい人がいてね。 その為の招待状に何を添えようか探しているところさ」 「普通に家に呼んだんじゃだめなの?」 「それでは良質な食事とは言えないんだ…」 流石は月山。 人を招くのに招待状まで用意するのだ。 夢叶には理解できない。 「よく分かんないけど、あまり他人様を虐めないようにね」 「No progrem.共に食事を愉しむだけさ」 ((レディへはお茶会の招待状を)) == == == == == == == == == == 「そうだ、今度またあの喫茶店に行かないか?」 「作家さんお気に入りっていうあの喫茶店?」 「そうだ。また面白い本があるんだ」 「いいけど、その本読みながらになるよ?」 「構わないとも!」 「月山くんの持ってくる本って食の探求系のばっかりだね」 「美食こそが僕を成り立たせているからね」 「あはは。面白いからいいけど」 「それじゃあ後日また連絡するよ」 ← | → |