![]() == == == == == 「すまないな」 出されたお茶を飲みながら待っていると兄が来た。 CCGで泊まり込みで働くことも多く、必要なものはそこそこ置いているのだが、少し不足してきたらしい。 頼まれたそれらを渡し終えた夢叶。 「気にしなくていいよ。 お兄ちゃん、仕事忙しいんでしょ」 すると小さく頷いた。 相変わらず感情表現が少ない。 「…ちゃんと飯は食ってるか?」 「お兄ちゃんよりはね」 「睡眠は?」 「寝すぎなくらい」 安心したように笑われた。 「あまり生活リズムを乱すなよ」 「りょーかい!」 元気に笑って敬礼した。 滅多に会えない家族に会うのは嬉しいのだ。 例え恋人との時間を削ることになっても。 「すまないな、あまり帰れなくて…」 「メールくれるから許してあげる」 気にしないように言っても気にするだろうから許すと言った。 「じゃ、そろそろ帰るね。 お仕事の邪魔しちゃ悪いし」 すると兄はもう一度謝ろうとした。 だから夢叶は耳を塞いだ。 これは夢叶の癖で、聞きたくない時にするのだ。 ホラー番組などを見ている時によくしている。 「ありがとう……助かった…」 昔してくれたように頭を撫でてくれた。 夢叶は嬉しそうに笑った。 少し物足りなくて兄の手を持ってもっと撫でさせた。 たまに甘えたくなるのだ。 一通り撫でてもらい、満足した夢叶。 「じゃ、頑張ってね」 「あぁ。 お前も帰り道、喰種なんかには気を付けろ…」 ((どこまでも真面目な仕事人)) == == == == == == == == == == 「もしもし?」 「用事は終わった…?」 「終わったよー」 「迎え行こうか…?」 「喰種が1区彷徨いてたら危ないでしょ」 「夢叶だって、変な人に絡まれたら危ない…」 「大丈夫!お兄ちゃんに護身術習ったから!」 「……ちゃんと使えるといいけど…」 ← | |