02 == == == == == 「じゃあ今は何を信じてるの? ボクは?」 夢叶から十字架を奪って他所へ放る。 ソファーに押し付けられ、顔が近付いてくる。 「1番は、」 人差し指をウタの唇に当てる。 「ね」 「…じゃあいいや。 この知らない番号の相手は聞かないでおいてあげる」 指している履歴の1つは什造の番号だった。 聞き始めると面倒そうなのでありがたく返してもらった。 「ねぇ夢叶、1つ踏み込んだこと聞いていい?」 ――夢叶の本当の家族ってどんなだったの?―― 『神父さまー』 『夢叶か、走ると転ぶぞ』 『我々は喰種対策局だ。君を保護しよう』 「夢叶……?」 表情の薄くなった夢叶を案じてウタが声を掛けた。 「あぁ……うん。 家族ね、家族……あんまり憶えてないなぁ」 ((家族の定義)) == == == == == == == == == == 「まぁ今は血は繋がってないけど家族がいるから」 「ボクらの歳で血縁者がいる喰種は珍しいもんね」 「要はどれだけ受け入れてるかだよね」 「トモダチと混ざらない?」 「じゃあウタも友達になる?」 「それじゃあ降格だよ……」 「まぁウタは家族と友達の中間くらいかな」 ← | → |