![]() == == == == == 「お泊りは中止だね……」 蓮示が帰り、空になったマグカップを洗う。 「ウタ…戦うの…?」 「蓮示くんの頼みだしね…」 友達からの頼み。 それを断れとは言えない。 友達は大切にしてほしい。 「怪我、しないでね…」 ただそれだけ。 負けるとは思えない。 死ぬとも思えない。 怪我もしてほしくない。 「大丈夫……そんなに鈍ってないよ」 そう、大丈夫。 「(ウタは強い。蓮示も店長さんも、みんな…)」 マグカップを洗う手が止まっている。 すると後ろから抱き締められた。 「"ぼくら"は簡単に死なないって分かってるよね…」 「…うん」 それでも心配は拭えない。 何もない平和な時間が長すぎたのかもしれない。 「ぼくは…綺麗に生きたことなんてない…。 だから、どんなことをしてもちゃんと帰ってくるよ…」 「ううん……私が見てきたウタは綺麗だったよ」 ((光の様に眩い生き方)) == == == == == == == == == == 「死にに行くんじゃないんだから…」 「だって…」 「それとも、もしものために抱いた方がいいの…? 愛してるって言っておいた方がいい…?」 「け…結構です!!」 「そう…?」 「ウタもみんなと帰ってくるんでしょ…!」 「うん…。…何かこの会話自体フラグっぽいね…」 「!この話お終い!」 ← | → |