『欲しいものがある』
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ウタの話を要約すると…。

もらってばかりだからお返しがしたい。お返しするとまたお返しで何かもらえる。それはいい、よし、何あげようか。あれ、何がいいんだろう?

……でいいのだろうか。


でもそれを本人に聞いてしまうのがウタらしい。










「ねぇ、夢叶がもらって嬉しいものってなに?」

「あのねウタ、私が好きであげてるだけなんだから、別にお返しとかいいんだよ?それの、ウタがくれるものなら何でも嬉しい」


するとウタは少し不満そうだ。

え、何で?


「夢叶、ぼくは夢叶が本当に喜んでくれるものをあげたいんだよ?それにあげないとお返しがもらえない」


はぁ…………ん?お返しがもらえない?

つまり何か欲しいものがあると?





「あー……ウタ、プレゼントってね、何をあげたかとかじゃなくて、どんな気持ちを込めて選んだかとかが大事なんだと私は思うよ?」





そりゃ、相手に喜んでほしいってのは分かるけど。

「もし相手がその気持ちを察っせないなら、付き合ってる資格はないと思うよ………ね」

あ、寄ってきた。

「……じゃあ重いものでもいい?」

「重い……?
よく分からないけど、ウタがくれるものなら何でも嬉しいよ」


「じゃあお返しもらえる?」

やっぱり、何か欲しいものがあるんだ。

「プレゼントあげてからじゃなきゃダメ?」

あ〜なんだかイトリが見たらすっごく笑いそう。
ウタがそんなことのために頭を悩ませるだなんて。

「いいよ、お返ししても」

何よりあのウタがそんなことを考えただけでも評価に値する。

「ホントに?」

「うん」


あ、何だかウタの顔がちょっと意地悪な時の顔になった。
おかしいな、仏心出しすぎたのかな?







「――じゃあ、夢叶からキスしてほしな」





((!!?!?!???!?!!?))
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「え、あ、え……お返しって指定なの??」
「だって、付き合う資格ないとか嫌だから」
「い、いや、全員が全員、付き合う資格がないわけじゃないから」
「…ねぇ、そんなにぼくにキスするの嫌?」
「そういうわけじゃないんだけどね!それはちょっと……」
「いつもぼくからだよね?それのお返しにしてくれないの?」
「うぅぅぅ〜……」


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