02
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「おはよう。
全然起きないから心配したよ……」

ベッドに上がってきたウタに抱き締められる。

「ぁ、うん、おはよう」

噛み痕だらけの手を気にしないように抱き締め返す。

シャワーを浴びてきたのか、シャンプーの香りがした。




「この間はごめんね……。
立てる?」




離れたウタの顔が少し不安気で、足腰の痛みや怠さがないのを確認し、ニカッと笑った。

「よく覚えてないけど、全然大丈夫だよ!」

しかし逆効果だったようだ。

ウタは更にしゅん……として、夢叶の手を取った。


「ホントにごめんね…。
………痛かったよね…」


手の甲の噛み痕をなぞられ、背筋がぞくりとした。

珍しく真摯に謝っているのに悪いが、本当に記憶にない。

「だ、大丈夫だよ、こんなのすぐ治るから!」

青痣や噛み痕なんて体についた傷は、心に付けられた傷なんかよりずっと早く治り、消えるのも早い。



「それと……ぼく、ゴム付けなかったんだ…」



腰をさすられてまさか、と思う。

「あー……もしかして寝ちゃった?」
「覚えてない?」

夢叶は毛布にくるまり顔を隠した。

「(…私知らない間にウタに初めてあげちゃった?)」

覚えていない、というのはとても厄介だ。

何があったのか、良からぬ想像ばかりが広がっていく。


「忘れちゃうくらい嫌だった…?
そうだよね……ごめんね、あんなことして…」


慌てて顔を出す。

放置して置いたらウタの調子がおかしくなりそうだ。

それに、覚えていないことがショックなだけで、いつかそういう日が来る気はしていた。これでも恋人だ。

避妊していない、と言うところに若干の危機感はあるが。

「嫌じゃないよ、ちょっとびっくりしただけ」


1回くらい大丈夫、なんて若者特有の楽観で済ませようとする。





「でも、……たぶん10回以上やっちゃったよ…?」





「……(あーうん、とんでもなくマズい気がする)」


((現実は残酷だ))
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「で、でも喰種と人間の赤ちゃんってできにくいんだよね?」
「そうだけど……できてたら夢叶嫌でしょ?」
「嫌…ではないけど、私人間喰べる度胸ないし……」
「ぼくは嫌だな……夢叶取られるから」
「(じゃあゴム付けて欲しかったな…)」

結局話が逸れていく…。


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